奈良に生まれた村田珠光は、十一歳で称名寺の法林院に入り出家した。若くして茶を好み、当時流行していた闘茶にふけり寺役も怠ったため、追放。放浪ののち、大徳寺の一休宗純のもとに身を寄せる。珠光は華やかな闘茶の世界に身を置きながら、しかし常に満たされぬものを感じていた。一休のトンチと寺を訪れた将軍の存在、まぶたの君である小夜の言葉をキッカケに、茶禅一味の境地に至り、侘び茶を完成。わが国の茶祖と称されるに至る。
詳しく見る珠光の時代、文化は未(いま)だ大陸の香りに強く支配され、混沌としたその中、様々なものが生まれ出ようとしていました。後の世に千利休居士が茶の湯の国風化を進める基(もとい)となる頃ですから、さながら原生林の如き佇(たたず)まいだったと想われます。この芝居に関わる方は、多かれ少なかれ、何らかの形で現代の茶の湯を体験されているとのこと。それ故、舞台上には多くの茶の相(すがた)が同居しているとも言えるでしょうか。舞台と客席が混然とする中、そこで織り成される一期一会が実り多いものであることを期待しております。
裏千家家元 千宗室
茶道における3段階の礼節に倣い、「真の巻」「行の巻」「草の巻」という3種類の演出にて上演しています。
この作品では、場の雰囲気をそのまま用いる演出を用いています。和室での上演(約30席限定)を中心に、劇場や体育館など広い場所での上演も行なっています。
前席では「演劇上演」でおもてなし。中立を経て、後席では、物語の中でのお茶会という体裁で、お客様にお抹茶とお菓子を味わっていただきます。
観客自身が劇世界に取り込まれる体験型演劇作品です。上演にあたり、京都を中心にした多くの老舗のお店・企業のご協力を賜りました。
これまでの日本語キャストに加え、同時通訳的役割を担う外国語キャストが出演する、新演出。2014年に「城崎国際アートセンター」に滞在し、英語バージョンを創作。2019年からは韓国語バージョンの創作に取り組んでいます。
※今後、上演地それぞれの言語を用いたキャストによる上演を行う計画です。
「小劇場での演劇でしか絶対に表現できない舞台表現」を極めるべく、1995年6月設立。京都を拠点に全国で活動中。既存のホールのみならず、寺社仏閣・教会・廃工場等「劇場ではない場所」で公演を数多く行う。普段の演劇公演の他にも、演劇の社会的有用性に着目したワークショップなど「演劇のないところに演劇を送り込む」活動を、幅広く展開中。
本作品のお問い合わせは、劇団衛星まで。上演のご依頼・ご相談も承ります。各地での上演へのご協力をどうぞよろしくお願いします。
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