【第十六回「こんがらがっている」】 毎日脳みそがこんがらがっています。 田中です。 なぜこんがらがっているかというと、公演があるからなんですね〜〜〜!! 最近毎日のように日本語と韓国語にまみれて生活しておるのですが、 留学時代を思い出して、なんとなく嬉しくなります。 大学時代は割と韓国語や中国語に触れられる機会があったのですが、卒業してからはめっきり減ってしまいました。 気が付けば卒業から2年半経ってたのですが、留学からはなんと4年経ってました。 引いた。 時の流れ、早すぎませんか? F-1に出場でもしとるのかね、私の人生は。 とまぁおそるべき早さでアラサーに向かって走り出しているわけなのですが、 やっぱりその間に語学力が落ちてたんですね。 久しぶりに本格的に韓国語を使ったら、まぁ語彙力がカッスカスで。 クリーム真ん中にちょろっとしか入ってない安っい安っいチョココロネみたいなもんです。 自分でショックを受けました。 聞き取りはまだそこまで能力落ちてなかったのですが、まぁとにかく会話がひどい。 ちょっともっかい韓国に留学行った方がええんちゃうかとも思い始めました。 そんな感じで自分語りはそろそろ終わりにしておいて、稽古場の話をしたいと思います。 正直言って、めっちゃ楽しいです。 難しいんですけど、わくわくしている。そんな感じです。 今創作しているのは『珠光の庵』の韓国語版なのですが、いつもは日本語オンリーのところ、日本語台詞に合わせて同時通訳で韓国語台詞が入ります。 韓国語版でしか見られない、韓国俳優さんのお芝居シーンもあります。 私の出演シーンはほぼ一か所に集中しているので、自分が出ないときは皆さんのお芝居を見ているのですが、韓国から来られた俳優のお三方の能力が高すぎて尊敬します。 日本語が分からずとも、日本人俳優のセリフのタイミングにばっちり合わせて韓国語通訳を入れてくださる。 これ絶対難しいと思うんですよ。知らない言語の言葉の切れ目や息継ぎを把握するのって簡単なことではないじゃないですか。特に長セリフは難易度高いはずなんですが。 日本語できるんだ〜!と思うほどに、セリフを入れるタイミングを完璧にそろえていらっしゃる。もはや感動すらします...! そして各日本人俳優の演技に、しっかりよせて演技をしていらっしゃること。 韓国俳優さんが3人のところ、日本人俳優は7名で出演するので、韓国俳優さんは1人2〜3役ずつ登場人物の通訳を担当しているのですが、日本人俳優のお芝居とのシンクロ率がすごいのでございます。 見ていて爽快。 あとは稽古場で繰り広げられる日韓文化交流。 日韓の演劇界事情を交換したり、ウォーミングアップはこんなんやるよーみたいな感じで教えあったり。 「基本日本と韓国の演劇界事情は似ている」という新しい発見がありました。 あと、基本的な挨拶や簡単な一言は日本語韓国語両方で行っています。 日本人俳優は韓国語で挨拶するし、韓国俳優さんたちは日本語で挨拶をしてくれます。 こういう小さな交流って、簡単なようで結構重要なことで。 細かなコミュニケーションの積み重ねが、信頼感やリスペクトなどにつながり、それが作品に生かされていくのだと思います。 海を越えた先にいる人々と関わるということは、同じ国の人同士と接する以上に難しいとよく言われますが、言語を除けばそんなこともないんじゃないかな、とも思う、25の冬。 と、突如ポエマー化して訳の分からないことを言い始めておりますが、 結局何が言いたいかと申しますと、色んな方に、できるだけ多くの方に観に来ていただきたいのです。 日韓の演劇人が共同で創作した作品です。俳優のお三方だけでなく、制作兼通訳として韓国からお越しくださったウンミさんも、台本修正から何から何まで関わってくださいました。 一緒に創作した期間は2週間あまりと短かったですが、本当に素敵な作品がうまれました。 作品、というよりかは成果といいますか、日韓交流の集大成といいますか。 なので「外国語はなぁ...」「珠光もう見たしなぁ...」「ちょっとあんまよう分からんしなぁ」と、あまり抵抗などを持たず、いつも演劇を見に行くような気持ちで、気軽にお越しいただきたいです。 本番まであと2日。無事最終日まで駆け抜けられるようがんばっていきます! あと、私もう一本公演に出演することになりました!!! こちらもまさかの日韓合同公演です。 詳細は下記をご覧くださいませ。 https://www.kac.or.jp/events/27677/ リーディング公演です。韓国の劇作家・演出家であるソンギウン氏が脚本を手掛けています。 チェーホフの『三人姉妹』を日韓版でアレンジした『外地の三人姉妹』という作品です。 私なんと、『三人姉妹』でいうところの三女・イリーナ役で出演いたします。 稽古毎に色々と苦戦しておりますが、でもこちらもとても楽しいです。 この公演でも、韓国の俳優さんが出演しています。 大阪の稽古場に行っても、京都の稽古場に戻っても、韓国の俳優さんたちと一緒に創作ができることを、とても嬉しく思ってます。 これが私の今やるべきことなんやと、使命感も感じつつ毎日を過ごしています。 韓国語も使えるし、お芝居もできるし、毎日過ごしてるだけでも交流ができるし、最高や。 どちらもがんばりますよ....!!!! ということで、冒頭で言っていた「頭がこんがらがっている」というのは本番を2つ控えておりかつ日本語と韓国語を毎日駆使しているから、ということでした。 ほんとに、観て損なしの作品になっておりますので、みなさま、是非会場にお越しください〜〜〜〜〜〜〜! |
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