【第31回「ルックバック」】


もうすっかり夏の暑さになって参りましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
僕は非常に汗っかきなので通勤用と仕事中用の2着Tシャツを持っていないと落ち着かなくなってまいりました、森谷です。

先日とある漫画を読みました。今回はその漫画についてのお話をさせていただければと思います。
その漫画とは、藤本タツキ先生の『ルックバック』という読み切り漫画です。(現在、ジャンプ+というアプリで無料公開されています)
7月19日の月曜日に公開されたこの漫画についてはご存知の方も多いのではないでしょうか。

ルックバックというタイトルには様々な意味があります。
直訳すると「背中を見ろ」
慣用句的には「過去を振り返る、追想」
などがあります。
それらを含めた様々なメッセージが詰まっている作品でした。

主人公の背中が印象的に描かれていて、その境遇や感情などが表情ではなく背中から感じられました。漫画的ではなくどちらかというと映画的な描写にも感じますがそれを漫画でやるということに藤本先生の凄みを感じました。

過去を振り返ることは非常に尊いことですし、人間的な素晴らしい営みだと思います。しかし過去を振り返ることは必ずしも幸せな営みということではありません。あの時ああしていれば、こんなこと始めなければという後悔もうまれます。
作品の最初のコマで書いてある「don't」
最後のコマにある「In anger」
タイトルと合わせると「Don’t Look Back In Anger」(イギリスのロックバンドoasisの曲名)になり、
怒りの感情で過去を振り返ったらいけないという藤本先生からのメッセージになると知った時にはまさに目から鱗でした。

この作品を見ると、様々な作品や出来事が想起されます。
そのどれもが飲み込まれ一つの作品を形作っているというのが非常に興味深く、この作品の特筆すべきてんだと僕は思いました。

現実はつらいことばっかりでノンフィクションに叩きのめされる毎日ですが、フィクションとそれを創り出す人々に少なからず救われていると思います。この作品ではそういった救いが提示されていると僕は感じました。

タラタラと長く書いてしまいましたが、僕の書いた文章よりも作品そのものを読む方が絶対にいいです。
無料公開されているので皆さんもぜひご覧ください。
読んだ人によって感じることは必ず変わります。ぜひ語り合いたいです。


【今月の森谷A】

・劇団衛星極秘会議
10月末の新作公演に向けて、極秘会議を重ねています。これまでに無いような公演になると思いますので、情報が公開できる日を心待ちにしています。

・オンライン配信
蓮行さんが講師を務める「ソーシャルコミュニケーションリーダー養成講座」に配信などのテクニカル面で関わらせていただいております。今からでも申し込みは可能とのことなのでこちらから情報を見ていただけると幸いです!
http://www.accd-c.org/SCL/

・映像撮影と編集
いくつかの映像撮影と編集のお仕事をいただいております。ボードゲームの解説動画からコント映像の編集、映像教材の作成など様々なジャンルの映像を作成することは、僕自身の見聞を広げることにもつながっています。今後も精進していきます。