黒木陽子の「私はこんな海外ドラマを見てきた」
vol.35 熱の中のシェイクスピア

今回ご紹介するのはこちら!



『ゲーム・オブ・スローンズ』
HBO(ドラマ専門ケーブルテレビ)制作の大人気ファンタジードラマ。ドラマ、っていうより長編小説を映像化した感じ。
世界史の面白いところだけくり抜いたみたいなドラマです。
舞台は架空のヨーロッパの中世後半・近世前半といったところ。火薬や大砲はあるが銃は無く、帆船はあるが飛行機はなく、動力は人馬。

ウェスタロス大陸という架空の大陸に七つの名家があり、誰がそのてっぺん(王座:スローンズ)取るんや?というのが大筋。
暗殺したり戦争したり人質とったり暗殺したり政略結婚したり戦争したり王の血を引く私生児を殺したり…が繰り広げられる。

と、同時に、隣の大陸では前王家の生き残りが王座奪還を目指して騎馬民族と結婚したり殺されたり奴隷を解放したりしながら王女研鑽を積んでいる。

と、同時に、ウェスタロス大陸の北側には原住民侵入を防ぐ為にでっかい氷の壁をたててるんだけれど、原住民が攻めてきたり氷の壁を守る軍隊(ナイトウォッチ)内の内輪揉めがあったりしている。

と、同時に、なんか異形の氷ゾンビみたいなやつ(ホワイトウォーカー)が死人をゾンビにして壁を越えようとしていたり、ドラゴンの卵から本当にドラゴンが生まれたり、妖しい術を使う女がでてきたり、顔を変えられる暗殺術の館みたいなのがあったりと、ファンタジー要素まで盛りこまれて・・・

…もう、もう、盛りだくさんなのです。最初の方ははっきり言って誰が誰やら覚えてられません。初見の人が「前からいましたけど?」みたいな顔で出てくるし。(なもんで、だいたい掴んでおけば大丈夫ですよ。重要な人は後から分かるように説明がきます。大丈夫!)

あと、めちゃくちゃ女性・男性の裸とエグい死体が大盤振る舞いで出てきます。(R15指定です)
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そう第二回で紹介しております(今、読み返したら全然紹介してなかった)ゲームオブスローンズです。

ちょうど今、最終シーズンが全世界同時放映されておりまして、海外ドラマ好き達はワクワクソワソワの真っ只中に放り込まれております!

残念ながら私は、契約している配信サービスがまだ配信しておらず
ちょっとずつ見返して最終シーズンの準備をしています。
「ああ…これは、そういう意味のカット割りか!」
「この人、こんな最初から出てたんや…」
とか、2回目ならではの発見がとても楽しく…。

それでですね、とあるシェイクスピアリアン(シェイクスピア好きの人。シャーロキアンみたいな)の方がツイッターで下記のように言うてはりまして。


そうやなあ、シェイクスピアの時代もこんな感じやったんやろうなぁと。熱の中で娯楽として見ている。

そして、先日、gate の大石ディレクターの勉強会で「ハムレット」のラストシーンを読む会で、あまりにたくさんの人が死んでいくので、ちょっとゲラゲラ笑ってしまったんですが・・・
きっとシェイクスピアの時代の人も、ゲームオブスローンズみたいに、あのバッタバッタ死んでいくのを楽しんだんだろうなぁと思ったのでした。

わかる・・・わかるわー。
2度目の視聴だと「次のショッキングなシーンは・・・」って、人死にシーンを待ってますもん、私も。



あと、劇団が御前芝居をするシーンと民衆の前で時事芝居をするシーンがあるのですが、「こういう演劇の原点って、世間様の見たいものを見せる商売なんかもしれんなぁ」としみじみ思ったのでした。

面白いんで、みんな見て欲しいなぁ・・・そして、「ああ!そんな!」「うわあ!」と、感想を語り合いたい・・・。
王座に就くのは誰なんだ・・・。なんで検索した画像でミッサンディが座ってるんだ・・ああ・・ああああ・・・。
私は・・・ティリオンが座ると思う!世間様の望みはティリオンなんじゃないか?!というのが予想です。(選挙みたいになってきたな)
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そして最後に宣伝なんですが、『ゲームオブスローンズ』みたいなシェイクスピアの『ハムレット』を下敷きに脚本を書きました、劇団衛星の新人もなか軍団のプチ公演『ハムちぃ』。来月5月12日(日)1日限りですが上演いたします。
内容は、全くショッキングではありません。27歳会社員ハムちぃ(公森)がただ喫茶店で後輩の堀田と悩むだけの話です。
そんな会話劇台本を私が書くなんて・・・。新しい挑戦を新人公演の場でしてよかったのか、どうなのか。

是非ご覧ください。




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http://www.eisei.info/monaca_gundan/