黒木陽子の「私はこんな海外ドラマを見てきた」
vol.29 心の拠り所

今、ヒトラーユーゲントのドキュメンタリーを見ております。
すごいな…すごい。

私、中学校へ演劇ワークショップをしに伺う機会が多々あります。子どもから大人へなっていく過程で生じる怒りというかなんというか「ああ、しんどい時期やなぁ」という彼らと一緒に活動するのは、そのアイディア面白い!わあ!小学生とは違う教養・知性があるわあ!と感動する反面、「なぜ、そないにベタベタするんや…一人で立て!」と大変だったりイライラすることも多いのですが。
それで、ええんや。ええんやな、とドキュメンタリーを見てて思います。

ヒトラーユーゲントの少年たちは、そのモヤモヤ・怒りを、全体主義的に利用されて、心の拠り所(ドキュメンタリー内では唯一の総統ヒトラー)を一つに統一され、規律正しく行進し、自ら望んで制服を着て、未来の希望と褒められ…怒りは、ユダヤ人やロシア人への攻撃性へと転化させられるのです。はー。すごい。

ええんや…「なんでそんなに男子・女子だけで固まってベタベタするんや!」いろいろ大変やけど、それでええんやな…。

今回は海外ドラマあるあるの、民主党支持キャラと共和党支持キャラとの言い争いについて書こうと思っていたのです。

向こうの業界がそうなのか、基本的には民主党支持がベースでしょ?っぽい感じでドラマは作られております。でもね、ちゃんと共和党支持のキャラクターも出てくるんです。政治的心情はわかりあえないけれど、恋愛関係になったり、隣人として助けられたり、友情が芽生えたり。共和党支持キャラの息子がゲイだとわかり、母親として苦悩したり。「話の通じない共和党員」じゃなくて。

日本にはそういうドラマあんまり見かけ無いなぁ〜と思いまして。そもそも、日本の自民党支持層と、非支持層のベースがなんなのか、私もよく知らないなあって。(アメリカのは、小さな政府、開拓の使命、キリスト教原理主義、と、なんとなくそんな感じなんです)
日本の自民党支持層の心の拠り所はどこなのか?非支持層はどこなのか?そんなことを考えて「はっきりさせたい!」と思っておったのですが。

まあ、ええんかもな。
もっと、ふわっとしても。それが日本なんかもな。

そう、ドキュメンタリーを見て感じているのでした。

でも、まあ、もうちょっと対立構造が大人なドラマも見たいな、と、思ったり。
『重版出来!』がいいドラマやな…と思ったのは、そのへんしっかりしてるからかな、と思ったり。
次回は『重版出来!』について書こうかな。

海外ドラマからだいぶ離れております…すみません…。