黒木陽子の「私はこんな海外ドラマを見てきた」vol.11 海外ドラマ大好き人間!略して「海どん」が、彗星小学校のみんなにオススメの海外ドラマを押し付けていくよ!! vol.11 らしさってなんだ 彗星小学校体育館。6年生が卒業式の練習をしている。 学年主任の和田先生は、彼らが立派に育った姿を保護者や在校生に見せつけるべく、熱心に指導している。 和田「鈴木深雪!」 鈴木「はい」 和田「よし、いいぞ!男らしく胸をはれ!6年間がんばったサッカーの練習を思い出せ!」 鈴木、胸をはり、壇上にあがる 和田「そこで一礼!よし、いいぞ!そこで顔をあげて、そこにサッカーの安原監督を見て、目にぐっと力をこめて、校長先生のところに歩いていけ!」 鈴木、壇上中央に歩く 和田「ストーップ!だめだだめだ。なんだ、その歩幅は!!お前は女か!名前みたいに女なのか!」 鈴木「(首をふる)」 和田「はあ?女の子みたいにうつ向いて、違うなら違うと答えるんだ!」 鈴木「ちが・・(います)」 和田「はあ?」 そこへ、海どん登場。 海どん「この、脳筋がぁ!!」 和田「海どんさん」 海どん「体育専攻の教師はこれだからいやになるな!すべてのことにルールがあるわけじゃねえんだよ!」 和田「・・・」 海どん「どうせ、本の一冊も読んでこなかったんだろう!体育教師はみんなそうだ。これでも見て、頭を冷やしな!!」 海どん、体育館をさっそうと出て行く 和田「・・・」 山田先生、和田先生(女性)に声をかける 山田「和田先生、たしか専攻は体育じゃなかったですよね」 和田「はい・・国語教育だったんですが・・・はははは」 ーーー はい。偏見ってむずかしいよね! というところでそんな人にオススメなのはこれ! ![]() 貼らない方がいいような絵ですが、左からちびっこメガネ巨乳、ユダヤ系マザコンタートルネック、女性と話せないインド人、男まさり美人ヒロイン、固執で一緒に住みたく無い天才物理学者、主人公の普通にイケてない天才科学者、女性「らしい」努力をしてこなかった女性研究者 『ビッグバン・セオリー』です。 私は、これを以前紹介した『フレンズ』の後継シリーズだと考えているのですが、男女の描き方はちょっと違います。 描かれているのは、ルームシェアで暮らす天才物理学者のイケてない男性2人、向かいに住む女優志望の美人女性、部屋に入り浸る研究者仲間男2人、とシーズン3から出て来る女性研究者たち(のち、メンバーの妻、恋人になる)という、男女仲良く意味なく部屋に集うというもの。見ているだけで仲のいい友達とごはんを食べているような安らいだ気持ちになるのは、フレンズと同じですね。 しかし、ビッグバンセオリーでは、男らしさ・女らしさを従来のらしさとは逆に描いています。 ヒロインの美人女性(女優志望)は、ネブラスカ州出身で、恋愛のパターンもフレンズとは逆のように描いています。 アメリカでは「愛してる」と言う言葉とプロポーズは、恋愛ステップを進める重要なキーワードなんですが、ステップが上がるたび、ひともんちゃくあります。なんというか、だいたいのステップでヒロインが逃げ腰になるんです。 『フレンズ』では「進めたい女・進みたくない男」という描かれ方なんですけれどね。 (あ、出会ってすぐに結婚を決める、というのは男女どちら側もネタとしてはありますけれど。いちおう「メインの真剣な恋愛」で、そのように描かれる、ということなんです) まあ、男性側が「ギーク」で「モテない」から、そのようになる、というのもあるんですが。 さらに、割と意図的にユダヤ人らしさ、インド人らしさ、そういったことを全部、笑いの種にしています。 シーズン3から「ヒロインが『こういう女』の定型になってはまずい」ということになったのかどうかはわからないのですが、女性レギュラーが2人増えて、ぐっと面白くなりました。二人とも科学者なのですが、猫背系の低い声で笑う身なりを気にしない女性と、普通っぽいけれどちょっとサディスティックなところもあるちびっこメガネ巨乳女性。 出てくる人が、みんなちょっぴり変なところが強調されていて、おかしくて、でも普通の人たちで・・・。 他にも、男まさりな女、カトリック教徒、子離れできないユダヤ人の親、宇宙飛行士、高校時代いけてた脳筋男性、 そんな「定型」が次から次へと出てくると、「定型って・・・ないんかもなぁ・・」と、思えてくる不思議。 ちょっとくらい変でもまあいいじゃない、そんなドラマです。 まあ、男性のイケてなさぶりに最初は「うっ・・・ドラマで見るにはキツい・・」と思うかもしれませんが、慣れてきますよ。 20分ですし、『フレンズ』が好きな人にはオススメ。 あと、オタク知識満載なので「あーこういう作品もあるんかー」と思えます(私『ゲームオブスローンズ』は、この作品に出てたので見始めました) |
|