黒木陽子の『あたらしい行事』5月編


5月7・8日
中学生の日



日本の行事。
中学生まで成長したことを祝い、子どもだった人がこれから大人として生きて行くことをみんなで考えよう、という日。
中学生たちは、2日間「大人」として扱われ、飲酒や喫煙、風俗店への出入り、勤労など、年齢制限のかかっていた事柄が許されるようになる。ただし、婚姻や選挙・被選挙権等、9日以降にも効力を持つものは許されておらず、そういった意味では先に述べた飲酒や喫煙等も同等に扱うべきだとする向きもある。また、法的な根拠も無い。
急性アルコール中毒や暴力事件で死亡する例、家出人としての届け出も多く、行事が廃止されているところもある。

<由来>
本来は元服のかわりとして、2日間自力で旅をさせ、大人への第一歩を踏み出す機会とさせることが目的だった。
2020年頃京都市内の私立中学校において、修学旅行担当教諭が「こんなんは俺の仕事ちゃう!」と憤り、旅館の手配等一切行わず退職した。事態が判明したのが旅行間際だったため、人数分の宿泊先を抑えることができなかった学校側は、急遽修学旅行のかわりにその分のお金を生徒個人に渡し、自由課外活動を行うよう指導することにした。
結果、ほとんどの生徒は遊興費に使う事になったが、中にはヒッチハイクで日本一周を行う生徒や、創作活動を行うもの、株の売買を行うものもいた。その模様がニュース等で取り上げられ注目されたことや、保護者からの「自立させるいい機会になった」との声、また中学生生徒自身の「好きなことをやれっていわれたら案外できないもんだと思った」という大人への第一歩を感じさせる声、そして教師自身の「圧倒的に楽だった」という声を受けて、その後この学校では修学旅行の規模は縮小され、それとは別に2日間の休業と資金が与えられることになる。
この動きが地域的に広まりをみせ、2030年代には旅行業者が「かわいい子には旅をさせよってネ・・ボク大人になるよ!」キャンペーンを実施。行事として国民的に広がるようになる。

<当日の様子など>



「中学生頑張れ」
「Go for JH (junior high school students)!」
などと書かれた中学生をはげます旗をかかげたり、黒いリボンに中学のときの校章をつけたりして、中学生を応援する気持ちを表す。
また、眼帯をつけたり包帯を巻いたり、金髪に髪を染めたり、逆立てたり、大きな水玉模様のバルーンスカートをはいてみたり手袋をしてみたり、英国紳士のような格好をしてみたりと、自分が中学生だったころに憧れていた(ができなかった)格好をする人もいる。

 ちなみに中学生のうち80%くらいは「べつに・・・休めるなら休むけど」「大人きもッ」という感じである。また、反抗して学校へしのびこんだり、不真面目な先生を学校へ呼び出し、真面目に授業を受けようとするものも10%くらいいる。


だいたいこんな感じ。