『あなたの知らない三国志の世界』 第二回「いい人材を探そう!」 ユニット美人の三国志vol.3『あの壁を壊すのはあなた』ご来場ありがとうございました! さてさて。ユニット美人の三国志シリーズ終了まで、全国に住むのは休止して、 三国志にまつわるあれこれを考えます! さて。第二回のテーマはこれ、『人材』だ。 みなさん、中国の人材登用制度というと、真っ先に思いつくのはこれでしょう。 【科挙】:wikipedia「科挙」 簡単に言うと、あれだ。試験です。 それも倍率3000倍の試験で、これに通らないと官僚にはなれなかったのだ。 しかし、科挙が始まったのは隋の時代(6世紀末)から。三国志の時代は2世紀末〜3世紀なので科挙はなかった。 では、どうやって人を登用していたのか。 それは… 【家柄】と【人柄】のみ。 前者の【家柄】はわかりやすい。いいお家の子どもがいいポストにつく。貴族がポストを子孫に継承していくってのもわかるし(今の政治家・芸能人も二世多いしね!)、感覚的に理解できそうだ。 しかし、後者の【人柄】って何だ。一見「いい人材登用法だ!」と、思わないでもないけれども、試験が無い以上、雇う側としては計りようがない。つまり、「あいつ、いいやつらしいで」というウワサ・口コミ頼りになるってことなのだ。 ひえー。口コミ…。 ネットも車もない時代に口コミ…。 漫画の三国志でもよく「すごい人らしい」というウワサが飛び交うんだけれど、この情報は一体どこから入ってくるのか、ずっと不思議だった。 だって、中国、広いよ! ![]() ↑三国志でよく出てくる地名、徐州。徐州から都まで、860kmあるんだよ! Google先生にお世話になって調べてみたら、徐州から都まで、徒歩でだいたい7日間と出た。 現代の道路で、ノンストップで歩いて7日だから、途中寝て、山賊におびえたりしながら…と、考えたらだいたい倍くらいかかるのではないだろうか。半月だ。「あいつ、いいやつらしいで」という情報を渡すために半月。ちょっと考えられない。私なら、そんな「あいつ、いいやつらしいで」情報よりも、「半月間で私が遭遇したピンチやあれこれ」情報をまず伝えるね。 とすれば、自然にウワサや口コミが広がるのを待っていてはダメだということだ。 例えば、私たちユニット美人が徐州で活動していて、都の皇帝お召し抱えユニットになりたいとしよう。 まずは自然口コミにまかせる。 ![]() ↑一人が二人以上に話してくれれば、倍以上に増えて行く。 しかし、これだと距離を超えることができない。 そこで、私たちは宣伝を人に頼むのだ! ![]() ↑もちろんお金がかかる。旅費とか渡す。 都まで行ってもらって、また道中の街で宣伝してもらう。 ![]() ↑歌とか効率的(当時としては)な方法で拡散する。 そして、それが皇帝の耳に入って、見事、皇帝お召し抱えユニットに! <END> そうかー。ドラクエ等で「吟遊詩人」とか、「遊び人」とかの職業的価値がさっぱりわからなかったのだけれど、そういうことだったのか。あと、『三国志』とか読んでいて不思議だった、「嘘」・「おおげさ」・「紛らわしい」 JAROに通報されそうな人々のエピソードは、このためだったのか。 確かに、「すげー強いよー♪」と、歌うよりも「矢が目に刺さっても大丈夫〜強い〜強いぞ〜夏候トン〜しかも『もったいない』ってペロリンコ〜強い〜強いぞ〜夏候トン〜♪」って歌う方がいいもんね! そして私が皇帝だったら…こういう人を全国に放つのは間違いない。 ![]() ↑家政婦的な人。 何はともあれ「待っていてはダメだ」というのは、今も昔も変わらないのではないだろうか。 そして、どんなに不況でも好景気でも、いい人材がウハウハ舞い込んでくるということはなく、はたまた能力の高い人が気づいたらいい仕事できていた…ということも無いと思う。 そこをお金(ワイロ)やらシステム(試験)やらに任せていたら腐っていくんだと、中国の歴史が教えてくれている。 しかしありがたいもので、今は古代中国ではなく、現代の日本なわけですから、みなさんはインターネットの力をつかって思う存分ユニット美人の宣伝ができるというわけです。ありがたい時代になったものです。 以下、思う存分現代人の方法を駆使して拡散してもらってもいいですよ。 *宣伝* いよいよ最終回! ユニット美人の三国志vol.4 『守ってあげたい』(上演時間:60分) ■作・演出 黒木陽子 ■出演 紙本明子 黒木陽子 生方友理恵 小林由実(イッパイアンテナ) 真野絵里(中野劇団) ■会場 KAIKA ■日時 2012年11月3日(土)14:00 / 18:00 | 4日(日)14:00 ■料金 一般 1,500円/学生 500円 ■チケット取扱 http://ticket.corich.jp/apply/37949/004/ いやー。四ヶ月連続公演って、大変だね! |
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