ZINE を作りたい!


こないだラジオで「ZINE」特集がされていました。

ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、ZINEとは、簡単に言えば、個人が作るフリーペーパーです。
MAGAZINEのZINEですね。

ZINEで思い出したのは、小学生5年〜6年生の時の担任のY先生が、毎日「ひまわり」というクラス通信を手書きで書いていて、藁半紙にコピーしたものがクラスに全員に配布されていました。

「ひまわり」の内容(覚えている限り)は、

1)Y先生からのメッセージ 
最近の先生の思っていることや、クラスの様子、面白かった出来事や、ニュースなど。
今思えば、保護者向けの文章だったように思う。

2)クラスの出来事(確か「光る目」というタイトルだったような)
クラスであった良かったことや困ったこと、気付きみたいなものを書いて提出させられ、その中から先生がピックアップしてして掲載。掲載は匿名形式だった。

「トイレの水のレバーは、手で押すようにしてる。」というOさんの発言がとても印象的だったので、「Oさんはみんなの前でそれを宣言して偉いと思った。」というようなことを書いて提出したら掲載されたことがある。
(和式トレイのレバーは足で踏まずに手で押そう!というのが、小学生時代のトレイのマナーだったのですが、それっていまでもそうですか?)
良いことを書かねば、、、気づきを書かねば、、、!といつも必死だったなあ。

3)小説の連載
アンネの日記や銀河鉄道の夜など、名作小説の見開き1ページがコピーされており、毎日読めば小説が読み切れるというもの。


毎日、終わりの会(HR)で配布される「ひまわり」。
今思えば、激務の中、お昼休憩などを駆使して毎日書いていたY先生は狂人やと思う。
が、
全員が毎日すべてのコーナーに目を通しているかと言えば、、そんなわけない。
小学生とはそんなもんです。
私もそんな小学生でした。
とくに、3)小説のところは、本の見開き1ページが印刷されたもので、字も小さく歪んでいて読みづらく、、、家に帰ってよーもお!っといって、当然、読んでいませんでした。

そんなある日の朝の会、先生が抜き打ちテストをしたのです。

「あんたら、私が毎日必死で書いてる「ひまわり」ちゃんと読んでるか?
 昨日までの小説のあらすじを書きなさい。読んでたらわかるよね?」

背筋が凍りました。
読んでねーから書けねーです!!!!!!
読んでないの、私だけだったらどうしよう・・・!
つ、吊し上げられる・・・!

何を書いたかおぼえて無いけど、なんか適当なあらすじを書いた気がする。
怖すぎて記憶がない。

当然その日の終わりの会は、恐怖の会となった。
実名をあげられたかどうか、もう恐ろしくて記憶から抹消してしまってるけど、Y先生からは嘆きの言葉が発せられました。

「私が、どんな思いでひまわりを書いてるか、、、この手のタコ見て!こんなになるまで頑張ってあんたらのために書いてるんやでうんぬんかんぬん!」

私は、書いて欲しいと一度も言ってない。
クラスのみんなもそうだ。
誰もお願いしてないよ・・・・

そんな気持ちでいっぱいだったけれど、もう絶対こんな思いは嫌だ!!
頑張って読むぞ!小説を読む!途中からだけど読む!

そして後日、またもや抜き打ちテストが行われたのです。
ところが、読んでいたはずなのに、全くストーリーを覚えてなかったのです。
登場人物の名前しか出てきませんでした。
そう、いわゆる流し読みをしていたのです。
震えた。恐ろしかった。
今度はどんなふうに怒られるのか、、、!
いやああああ〜〜〜〜〜!!!!!!

終わりの会では怒号が飛びます。
「まだちゃんと読んでへん奴がおる!!!!」

そこからY先生は狂ったように、それこそ全員が読むようになるまで、
毎週、いや3日に1回だったか、とにかく抜き打ちと言えない回数のテストをするようになりました。
もう「ひまわり」は私たちにとって、お楽しみのクラス通信ではありませんでした。
いや、ちゃんと読んでいた子たちにとっては優越感に浸れるものだったのかもしれません。
「書けるよ(笑)、読んでるし(余裕)」みたいな勢いで、スラスラ書く奴らの鉛筆の走る音が今でも忘れられない。
あああ!
怖い!
小学生に何を教えこむねん!Y先生!


まあ、そんなZINEの思い出もあるのですが、ZINEというのは
形はどんなものでもいい。
何を書いてもいい。
印刷してもしなくっても、配布方法も何もかも、形式なし。
自由 !
JIYUU!

このお話を聞いて、私もZINE作ってみたい!という気持ちが湧き上がってきました。
よし、この劇団の読み物でZINEを発行しよう!

と思って、いろいろと過去のバックナンバーを見直していたりしたのですが、、、、
すでにもう私、ZINE作ってたやん!ってなったのです。

紙本の読み物バックナンバー
「おしゃれ雑誌編集部〜演劇人スタイル〜」というシリーズ

http://www.eisei.info/yomimono/kamimoto.html

この頃の読み物、頑張ってるな〜と、自分のバックナンバーを1時間くらい読んでしまって何やってんねん、、、ってなった。

とは言え、やっぱりZINEが作りたいんだな!これは!
ということで、来週からZINEを作って発表します。

私が頑張って書いたんやから、読めよ!!v
なんて言わないけれど、
誰にも読まれていないかもしれない、、という寂しさはわかる。
この読み物のコーナー、16年続けている(!)
バックナンバーを読み返しながら、
よく頑張って書いたね!
昔の私の作品もなかなか面白いよ!
私は好きだよ!
勇気だせ!

と、自分を励ましながら読んでしました。
なんと言っても、私が書きたいように、書いたいことを書いてるんじゃないか。
そしてきっと読みたい人が読んでくれているよ!

・・・そうだ!
先生も、私たちのためじゃなくて、自分のために書けばかよかったんだよ!
書き物ってそういうもんじゃないか!
Y先生!
今、あの時のあなたに会えるなら言ってあげたい。

「ZINEは、書きたい人が書いて、読みたい人が読めばいい!」と。

おしまい