ベビーピーの旅記録・3


ベビー・ピー「ラプラタ川」がすっかり終わって、京都でゆったりと生きている紙本です。
あんなに、浮き沈みの激しかったツアーなのに、人間って忘れる生き物だな。
色々忘れている。最後まで書けるのだろうか?
これはもう、私と私の記憶との戦いだ。

というわけで、ツアー3箇所目は「新潟県長岡市の千秋が原ふるさとの森」



北上しているのだけれど、夏の方がそれを追い越してくる。
7月22日 会場入り、翌日の23日が本番という、通称「中二日(なかふつか)」と言われるハードなスケジュールだ。

朝から仕込みをしているが、どうにも蒸し蒸ししている。
前日からなんというか、お風呂に入ってない。

なんとか爽快な気持ちになるために、お布団を干したり、叩いたり。



そんな時、突然の豪雨に降られたり。



ちょっとづつ、「これは辛いかもしれない」という不安に覆われそうになった時、事件が起きた。

ベビーピーの松田さんの首が悲鳴をあげたのだ。
ツアー前からのハードなスケジュールで、出発前から「首を寝違えてしまった。」とゆーていたその首が、ついに動かなくなった!
明日は本番だ・・・。

仕込みを終え、なんとかシュートまで仕上げてスーパー銭湯「ゆらいや」まで車で移動。
車の揺れにも耐え難い痛みが走る松田さんの首。
松田さんをキャラバンの後部座席の真ん中に座らせ、首に振動が行かないように、両脇から手で押さえて、なんとか揺れを最小限にしようと試みるメンバー。
車がガタンと揺れるたびに「うう・・・!」と呻き声をあげる松田さん。
心配しつつも半笑いになってしまうメンバー。
急いでいるのに、道を間違える欣也さん。
「ああ痛い!」
「松田さんの首があああ!」
「欣也さん急いで!」と怒号が飛び交う車内は阿鼻叫喚を極めていた。

なんやかんやで、翌日の本番
長岡のゲストは、受け入れもしてくれている平井紫乃さんと、ベビーピーの舞台美術の吉村さんがメインとなって構成されている舞踏パフォーマンス集団「DANJO」さん。

吉村さんは、テントやら客席やら舞台美術の制作を担い、京都の公開ゲネプロから仕込みスタッフとしても同行してくれて、なんだったら福井のバラし後、忘れ物を取りに京都にもどり、京都から長野まで一人で運転してまたツアーに合流し、ゲスト出演のための衣装もツアーの合間でつくり自分も出るというめちゃくちゃな人です。
基本車中泊をしてらっしゃって、まあ、いわゆる、忍者ですね。



次の日、この夏一番の暑さの中バラし。猛烈に疲れてる。
おかしいくらいに暑い
本格的に辛い
首を痛めた松田さんは、病院に行って不在
なんとか明るい時間に積み込み終了
遠くからせめて記録写真をと写真をとる松田さん



ここで、お手伝いしてくれていた舞台の吉村さんとシステムの三橋さんとお別れ。
仕込み、バラし、積み込みに強力な助っ人が居なくなる。
吉村さんと三橋さんに見送られて、不安すぎて本気でちょっと泣いた。
不安を抱えて、いざ北海道へ。
の前に今日の宿泊地「田沢湖キャンプ場(秋田県仙北市)」へ。
キャンプ場、、、は、行ってみないとどんなところなのかわからないという不安がある。
虫はどんなもんだろう、狭さは?動物とか出る??

夜中に着いたキャンプ場は他の宿泊客もいない。あたりまえだ、今日は水曜日、平日だ。誰がキャンプにくるねん。
山の中は静まり返っている。
真っ暗で何も見えない。
周りに何もない。
お腹が空いた。
疲れた。
心も体も限界だ。
キャラバンからお布団を下ろしてコテージに運ぶ。この作業が結構辛い。
明日はフェリーの時間もあるので6時起きだ。
もう、寝よう、もう無理だよ。
明日の朝は、起きれるだろうか・・・

朝。
家に帰りたさマックスの私を迎えてくれたのが、このビューだ。



最高だ!
これを見るためにここまできたのかもしれない!
早朝からはしゃぐ我ら。





さあ急ごう、青函フェリーでいざ北海道へ!


つづく。