シアターでシネマのススメ 目指せ100本!(1〜2月)


一ヶ月で映画館で観た映画を、おもしろかった〜ん♪という順番に発表するという、私の趣味以外のなんでもないコーナーです!
2019年も相変わらず映画をいっぱいみるぞ〜。
今月(1月1日〜2月20日までに)、映画館で観た映画はこちら!

「こんな夜更けにバナナかよ」(前田晢)
「来る」(中島哲也)
「家に帰ろう」(パブロ・ソラルス)
「シュガーラッシュ・オンライン」(リッチ・ムーア/フィル・ジョンストン)
「バシュランギおじさんと小さな迷子」(カビール・カーン)
「シシリアン・ゴーストストーリー」(アントニオ・ピアッツァ/ファビオ・グラッサドニア)
「バーニング(劇場版)」(イ・チャンドン)
「ポエトリー アグネスの詩」(イ・チャンドン)
「 天才作家の妻 40年目の真実」(ビョルン・ルンゲ)
「バッド・ジーニアス」(ナタウット・プーンピリア)

10本をざーっと思い返して、「こんな夜更けにバナナかよ」の高畑充希さんがいい芝居するなあ!と年始早々興奮しました。
英語や韓国語やその他の言語の映画が字幕なしで観られたらそんな興奮にたくさん出会えるんだろうなと思うと悔しい。

「来る」は、私の大好きな映画「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督。恥ずかしながら映画館ではじめて中島監督の作品を観られて、とりあえずそれが嬉しかったのです。好きな映画監督が増えれば増えるほどこういう体験ができるというのが、なんというか、幸せですねえ。

さて、そんなこんなで、今回、出会ってしまった映画監督はこの方、
イ・チャンドン監督!!!

「バーニング(劇場版)」



そして引き続き観た
「ポエトリー・アグネスの詩」



脚本・監督を務める両作ですが、前作ポエトリー(2010年)から今作バーニング(2018年)まで8年かかってるところからも、脚本、構成にめちゃくちゃ時間かかってるんちゃう!?って思えるすごい分厚い作品ですた!
まだ二つしか作品見れてないのですが、過去作はよ観な!(*´д`*)ハァハァな気持ちです。

「ポエトリー アグネスの詩」
原題:Poetry
韓国 上映時間139分
監督:イ・チャンドン
出演:ユン・ジョンヒ、イ・デビット、アン・ネサン、キム・ヒラ、パク・ミョンシン

(あらすじ)
釜山で働く娘に代わり中学生の孫息子ジョンウク(イ・デビッド)を育てる66歳のミジャ(ユン・ジョンヒ)は、ふとしたきっかけで詩作教室に通い始めるが、その矢先に自分がアルツハイマー型認知症であることが発覚する。さらに、少し前に起こった女子中学生アグネスの自殺事件にジョンウク(孫息子)がかかわっていたことを知り、ショックを受けたミジャは、アグネスの足跡をたどっていくが……。第63回カンヌ国際映画祭 脚本賞受賞(映画.comより引用)


おばあちゃんのミジャが、詩作の教室に通いはじめるが、アルツハイマー型認知症が発覚、この時点で、ああ、なんという設定だ!とびっくりするよ。言葉を紡ぐ人が言葉や思い出をわすれていくんですよ。がーん!
平田オリザさんもゆーてたけど、物語は設定が一番重要。主人公の設定で、すでに勝ってる。(そんな感じのことをゆーてはったと思います)。

ミジャは、「ガシガシと状況をよくしていくぞ!」とか、「私がなんとかしてみせるぜ!」とかっていう困難に立ち向かって状況を変えていったり、わかりやすく成長したりとか、そういうタイプの主人公じゃない。
すごく大変な状況に陥ってるはずなのに、がっちり向き合わない、逃げもしない、人に全く相談しない。どうしよう・・・と、思いながら、ずっと詩を書こうとする。
しかし、詩を書くためには、世界を向き合わないといけない=アグネスの死と向き合わざるを得ないミジャ。

基本、登場人物が感情を吐露するようなセリフが一切ない。なのにどうしてこんなに「分かる」のだろう。
私が一番ぐおーっときたのは、詩の会の打ち上げの居酒屋さんの外で、ミジャが飲み会の席を外れて、ただただ号泣していたシーン。
わかる、わかるよ!そうなるよ!!!!涙!!!!

でした。
ネタバレになってしまいたくないので、あまり細かく言えないけれど、バーニングもそうなんだけれど、
状況があってそこに主人公が落ちていく。
それを淡々と映像でおいかける。
なのにこんなにドラマティック。
最後に「これです!」みたいな最初の状況から一歩があって、うお〜〜〜〜!ってなるんですけど、ああ、うまく言えないけれど、職人技やなあ。
イ・チャンドン監督すげーです。


おわり