シアターでシネマのススメ 目指せ100本!(8月)


一ヶ月で映画館で観た映画を、おもしろかった〜ん♪という順番に発表するという、私の趣味以外のなんでもないコーナーです!
今月、映画館で観た映画はこちら!

「フジコ・ヘミングの時間」(監督:小松荘一良)
「バトルオブザセクシーズ」(監督:バレリー・ファリス/ジョナサン・デイトン)
「ウインド・リバー」(監督:テイラー・シェリダン)
「ミッションインポシブル/フォールアウト」(監督:クリストファー・マッカリー)
「カメラを止めるな!」(監督:上田慎一郎)

先月に続き、ちょっと少なめ。
言い訳をすると、人生2回目の「落語」への挑戦をしまして、
錚々たる先輩方と一緒に「五丁目寄席」に出演させていただいたのでした。
4月に岡嶋さんから電話で「出ませんか?」と連絡をいただいてから4ヶ月、何をするにも「落語」が頭から離れず
最後一ヶ月は何をしてても「こんなことしてる場合じゃない」感に襲われる。そんな日々を過ごしておったのです。(誇張でもなく本当のところが自分でもはずかしい)
というわけで、寄席が終わった!
いくつになってもチャレンジするということはしんどいもんですね!
そして達成した時の喜びは、年齢を重ねる毎に増す気がします。
観にきてくださったお客様、そして、機会をくださった京都役者落語の会の先輩方、ありがとうございました!

そんな今月を過ごした私がオススメする映画はこちらだ!


「フジコ・ヘミングの時間」
監督:小松荘一良
出演:フジコ・ヘミング/大月ウルフ



60代になってから世界に見いだされたピアニスト、フジコ・ヘミングのドキュメンタリー。日本人ピアニストの母とロシア系スウェーデン人のデザイナーである父との間に生まれ、母の手ほどきによって5歳からピアノを習いはじめたフジコ。やがて演奏家として高い評価を受けるようになるが、大事なリサイタルの前に聴力を失うという大きなアクシデントに見舞われるなど、数奇な人生を歩んできた。(映画 .comより引用)

みなさんは、フジコ・ヘミングのことをどれくらい知っていますか?
私は、学生時代、先斗町の居酒屋で「フジコヘミングが京都で町家に住んでるんやってな。」
とお客さんが話をしているのを聞いて、
「そういえば、最近その名前聞くけど、あのおばさんはなんなんやろう」
と、思ったことを覚えています。
その時はじめてフジコ・ヘミングという人がいるということを知り、その後、フジコ・ヘミングの情報は私の中では更新されませんでした。
それから15年が経ち、映画館でこの映画の予告編をみて、「ああ、なんで15年間知らずにいたんだろう・・・」と思い、映画を観に行きました。


60歳になっても、夢を諦めないってどんな精神力なんだろうと思う。
もちろん、そんな「夢を諦めずずっとがんばってきました!」というほど単純なことではない。
子ども時代からの家庭環境(幼い頃に父と別離、その後一度も会わない)ハーフであることで受けてきた差別、独身で子どもがいないこと、聴力の喪失など、いろいろなことが重なって、「そういう生き方」しかできなかったのかもしれない。
それは、誰だったそうなのだけれど。自分で生き方選ぶなんて、勘違いだと私は思う。

「そういう生き方」=「ピアノを引き続ける生き方」 
ピアノ以外には彼女を表現するものがない。そう言い切りたいくらいにピアノの人でした。
とてもシンプル、だから苦労したのかもしれない。

80歳を過ぎても一人でワールドツアーで演奏しているなんて、どういうことだ!
私は先日の落語でも死にそうになったというのに!
ちくしょう!私も頑張る・・・!

ラストの演奏は本当に胸が震え、おもわず体が動いてしまうので要注意です。
映画館を出たあと、アップルミュージックでフジコヘミング「月の光」を聞きながら梅田の街を歩いて帰りました。
梅田の街が、違って見える。太陽がとてもきれい。
映画を見る前と見た後は違う世界になっている。
私はそれを最近信じるようになりました。

知らなかった、こんな人がいたなんて。
15年前から知っていたのになあ・・・。

フジコ・ヘミングさん、不死身であれ!
妖怪になってピアノを弾き続けてほしい。

おわり