紙の本のススメ 番外編 「劇団しようよに出演します」


世の中 元気な和田 ですね。
間違えた、ゴールデンウィーク ですね。
そんなGWですが、私は本番前ウィークでございます。
昨年の『こっちを向いて、みどり』に続いて、出演させていただくことになりました、劇団しようよ『TATAMI』。


『TATAMI』は、東京の劇団「ままごと」の柴幸男さんが書いた脚本です。
柴さんの作品は、過去2作品『あゆみ』と『わが星』を観たことがありまして、その台本のなんというか彼らしさの完成度が高すぎて、「こんなに自分を客観的に見れる人がいるのか?」というような、なんとなく「けっ」というような感情が湧いたことをここに告白いたします。
それは、「あこがれ」のような、その「あこがれ」からの「悔しさ」のような、「好きだと認めると負けてしまう」ような、そんな気持ちといいましょうか。

自分では制御できない「パッション」を軸とした作品づくり(ブルマで叫んでしまう)をしておりますので、やっぱりなんか、「くそう、なんか私ばかみたいじゃないか!」というような気持ちになってしまったのですね。

そんな風に思いながら、『わが星』を観て3回くらい泣いた。泣いとるやないかい!と思いながら、泣いた。
劇場が宇宙に感じるというか、別の世界に行ったような感覚を味わったのは、はじめてだったかもしれない。そんな感情が揺さぶられていた観劇体験だったことをここに告白いたします。

さて、そんな柴幸男さんの作品、『TATAMI』に出演させていただきます。
本当は男性4人の出演者で初演を上演されたんです。
初演は、杉原邦生さん演出で上演されました。

邦生さんのお芝居は、木下歌舞伎で何回か観たことがありまして、その演出の爽快感に何度もしびれました。
なんというか、「ダサい!どういうこと?!」みたいな気持ちになったり、「え、、、かっこいいっっていうかさっきのダサさかっこいい!」という気持ちになったりしながら、最終的に「やったぜ!」となる。
この「やったぜ!」の気持ち、私の中で間違いなく幸せな気持ちになった時なのです。美味しい食べ物を食べた時、好きな人と楽しいおしゃべりをしている時、面白い本に出会った時、そして、面白い演劇に出会った時。

そんな柴さんと邦生さんがタッグを組んで上演した『TATAMI』を初演時に観劇した劇団しようよの大原くんが、今、稽古場で、

「初演よりも面白いです。」

とゆーとるんです。
もうね、言っちゃったけど、ゆーてはるんです。

ああ、言ってしまった。
消せばいいけど消さない!


共演者は、ニットキャップシアターの門脇くん、飛び道具の藤原さん。
お二人ともどっしりと舞台にたつ安心感のかたまり。

藤原さんにいたっては、ファンですから、稽古場で藤原さんの芝居を見ているだけで幸せです。
できれば客席で観たかった。

門脇くんは、超かわいい。この数年で急激に舞台上でかわいい人になってしまった。
滑稽とかそんなんじゃない、キュートな人というのは、こういう人をいうのか、と。

そしてもう一人、北九州の飛ぶ劇場から来てくれた脇内圭介くん。
昨年のKAIKAで観た『二万七千光年の旅』(ふたり芝居)。彼のお芝居は、「ちょっと関西でこんな若い俳優さんいないんじゃない、、、?」っていうくらいのサプライズでした。
10人分くらいの配役を一人でやってる。本当にやっていた。野田秀樹の台本は、実は本当によく分からないんです、だけどめちゃくちゃ面白かった。

そんなお三方と共演なのです。
やったぜ!


場の持つ力はとてもとても大きく、どこで何を上演するのかって、めっちゃくちゃ大きな演出の一歩。
今回、「劇団しようよがアトリエ劇研で最後の上演を行う」ということを、一生懸命、大原くんが語ってくれました。そのお話を聞いて、「なるほどな」と少し感動したことをここに告白いたします。

アトリエ劇研は、今年の8月で閉まります。
私の演劇人生がスタートした場所。
大学2回生で劇団衛星に入って、初舞台がアトリエ劇研だったのです。
暗転板付きでスタートしたあのお芝居。
多分、一生忘れない思い出です。

最後のシーズンに劇研に立たせてくれる劇団しようよに感謝です。
ほんでもって、私の力をめいいっぱい出して、劇団しようよのやったぜ!になりたい。
ほんでもって、面白い作品を上演して、アトリエ劇研に恩返し!です。

ぜひ観にきてください。


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劇団しようよ
『あゆみ』『TATAMI』

◆作:柴 幸男(ままごと)
◆構成・演出:大原 渉平

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『TATAMI』

◆出演
門脇 俊輔(ニットキャップシアター/ベビー・ピー)
脇内 圭介(飛ぶ劇場)
藤原 大介(劇団飛び道具)?
紙本 明子(劇団衛星/ユニット美人)

おわりの物語が炙り出す、今という時間への希望。男は、自らの身の回りを”たたみ” はじめる。まずは部屋、そして我が家を。街を。国を。この星を。最後は、自分自身をたたもうとしていく。男が語る「おわり」の果てに見えるものとは?
劇団しようよ版『TATAMI』では、閉館するアトリエ劇研を背景に、未来のために残された今の物語を描きます。
※京都公演でのみ上演。
※本戯曲は、2015年にKUNIO12 『TATAMI』のために書き下ろされたものです。

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『あゆみ』

◆出演
門脇 俊輔(ニットキャップシアター/ベビー・ピー)
金田一 央紀(Hauptbahnhof)
土肥 嬌也
高橋 紘介
楳山 蓮
御厨 亮(GERO)
森 直毅(劇団マルカイテ)
大原 渉平
吉見 拓哉(劇団しようよ)
<京都公演> あごう さとし(劇作家・演出家・アトリエ劇研ディレクター)
<東京公演> 柴 幸男(ままごと)

柴幸男(ままごと)によって紡がれた《女性の一代記》『あゆみ』。劇団しようよ版『あゆみ』では、続いていくはずの少女の成長の物語を、男性キャストのみで上演。“男性の視点から描き直した、少女の物語” から見えてくる「ここにいる少女とここにいない少女の歩み」。
ゲストとして、京都公演はアトリエ劇研ディレクターあごうさとし、東京公演では作者の柴幸男が特別出演します。


◆会場
アトリエ劇研

◆日程
2017年
5月10日(水)19:00〜『あゆみ』
11日(木) 休演
12日(金)14:00〜『あゆみ』/19:00〜 『TATAMI』
13日(土) 14:00〜『あゆみ』/19:00〜『TATAMI』
14日(日) 14:00〜『TATAMI』/19:00〜『あゆみ』
15日(月) 11:00〜『あゆみ』/16:00〜『TATAMI』

◆料金
前売 一般 2,300円 / 25歳以下 2,000円
予約(当日精算)・当日券 一般 2,800円 / 25歳以下 2,500円
高校生 一律1,000円
『あゆみ』『TATAMI』通し券 4,000円(前売のみ)

◆詳細
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