紙の本のススメ! 第14回


知識ちゅーのは、人生を楽しむための薬味のようなものだなあ
と、人とおしゃべりをしたり映画をみたり本を読んだりして、思います。

知識を得ることそれ自体も喜びなのだと思う。が、
私は机に座ってや授業での勉強時間が嫌いだったので、18歳までの大半の時間を嫌々勉強していたのが、もったいなくってたまらない。
私には合わなかったなあ、学校の勉強。

情報が自分の中に少しずつ積み重なっていく感じ、
知っているからこそわかる面白さっていのは、友達や本や映画や演劇が教えてくれたぜ。

なので、人生を楽しむためには文化芸術は重要なのだ!
だから私は、漫画と本と映画とNetflixを観る!

最近観て、最高だ!と思う映画がことごとくフェミニズム映画なので
ここはいっちょ 女性が戦ってる感じの本を!と思って、前情報なしに適当に買ったのがこちら

「女、今日も仕事する」筆:大瀧純子/ミシマ社



筆者大瀧さんの、就活から、結婚して子育てをしながら、現職(社長職)につくまでの仕事を通じての生き方が書かれていました。
小さな会社で、知らない人は知らないし、何か大きなことを成し遂げた!という話ではない。
日々、仕事をして、家族をまもって、楽しく生きて行くことが丁寧な文章で表現されていた。

「仕事が一番大事!」とか「働かぬもの食うべからず!」やら「人生で何かを成し遂げなければ!」が、ちょっとしんどい世の中じゃないですか。
そこで、このタイトルです。
「女、今日も仕事する」

大丈夫か、、、?と思って手に取ったのやけど、どうにも気になって読みました。

本当に、穏やかな本だった。めちゃくちゃ等身大。あくまでも「私はそうでした。」というスタイル。
「それは、あなたが能力があったからやん、、、私には無理」とかじゃなく、私のやり方で仕事したらいいんやなって思わせてくれる本でした。

=仕事は人生の一部である。仕事は人生そのものなんだ」という見方をすれば、
分けるよりも「重ねる」。どうやったらきれいに重なるのか、美しいハーモニーになるのかを、考えていけたらと思っています。=
(本書 女の仕事、七カ条「ワークとライフをわけない」より引用)

重ねるっていいなあ。
仕事以外の私もさぼらず大切に育ててあげて、同じくらいのスピードで進めたらいいなあ、と思ったのでした。


「女子をこじらせて」 雨宮まみ/幻冬社文庫



昨年11月に亡くなられた雨宮まみさん。
それまで私は彼女の文章をきっちり読んだことがなかったのですが、今回初めて読んで、もう彼女がこの世にいないのか、、とめちゃくちゃ残念な気持ちなりました。

私も、彼女と似たような経験がある。
小学1年のころに、はじめてエロ本(レイプ系)を田舎のおじいちゃんの家(田舎で宿をやっていたので、宿泊していたおじさんがエロ本を置いていっていたのだ)で見た私は、とてつもない衝撃を受けたし、エロに染まっていったと思う。
犬の散歩のときに捨てられたエロ本を一生懸命探したり、ほんとうにリカちゃんをつかって襲われるごっこをしたりしていました。

小学6年生のころ、とんねるずとかの影響で、クラスの男子が急に女子をエロ対象としてからかうようになったり、そのときに、「私は女子として扱われるのだろうか、、、」と心配したり、女子として扱われた瞬間に、自分に対して、自分がキモい!と思ったこと。
好きな男子はいるのに、その子と両思いっぽくなると、「私を女子扱いするなんて、あたまがおかしい。」っていうか「私そんな女じゃないから、無理!」と、女である自分が出た瞬間にひいてしまったりしていました。そんなこんなで、私は「異性と付き合う」ことがめちゃくちゃ大変だったのでした。

男の欲望目線で、女を定義している自分が、幼少期からのこういった経験で形成されていたのか、と。
そしてそんな女の人が私の周りにもいっぱいて、なんとなく、もやもやしていることを。

「男に欲望されても、されなくても、あなたの価値に変わりはない……フェミニズムはそういってきたはずなのに、」
(本書 解説ーこじらせ女子の当事者研究ー上野千鶴子より)

そうなんだよなあ。
そうなんだけどなあ。

個人的には動物としての人間の本能的な欲望に「性欲」はあって、それは女子も同じくで、男とセックスをして子供を宿したいというものがあるとは思う。
ただ、都合よくそこを拡大解釈して、利用している人、それを許している人がいる。
男の妄想にこたえる方(こたえられる方)が、有利な生き方な社会がやっぱりはっきりとある。

えー!なに こじらせ女子?!そんな時代があったのね〜 なんて言える時代はくるのだろうか。
そのためには、無意識に刷り込まれてる価値観、そしてその価値観で自分をしばってることに、まず苦しんでいる女子が気がつかなければ、、、と思うのでした。

暗黒の中学生時代から少しずつこじらせてきて、ここまでの自己分析を経てこの文章を書いた雨宮さん。
オナニー三昧の女子です!変な女です!という感じでスタートするこの本なんですが、
だからこんな本出せるんだ。
特別な人だからな。

じゃないのです。

自尊心がめちゃくちゃ低かった彼女がどうしてこの本が書けたのか。
自分の価値は自分で決める。ということに気がついたからだろうなと思うのです。
びびりながらも、がんばってがんばって自分を自分で応援しているエネルギッシュな本でした。
ありがとう雨宮さん!元気でた!