紙の本のススメ! 第13回


今年に入ってから、どうにも動画が見たい。
家からテレビがなくなってからというもの、ますます映画欲が高まる一方です。
映画館とNetflixの日々です。
というわけで、原作と映画について。


大好きな原作 大好きな映画
「嫌われ松子の一生」原作:山田宗樹/監督:中島哲也

嫌われ松子の一生

修学旅行中に教え子が起こした現金盗難事件を収めるためにその場しのぎの対応をとったため教師の職をクビになり、家族とのいざこざから家を飛び出したことから転落して行く、川尻松子の悲劇の人生を描いた物語。
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なんでこんな小説書こうと思ったんだこの人
なんどもスターバックスで涙を流しながら読みました。
その場しのぎと誰かに愛されたい、愛したい 愛に依存してしまう女のはちゃめちゃな人生。
だけど、誰かと一緒にいれたらそれでいい!とバランス失ったら、誰でもこうなるのかもしれない。
親の愛って大切だよなあ、、、。
映画のあとに原作を読んだんだけれども、どちらも最高に好き。
全く違う作品やけど、映画が原作の良さを違う形で演出してて、
テンポの良さと主演の中谷美紀さんが美人やのに面白くって不幸で最高です。
当時は貧乏だったので、DVDも本も中古で買ったのだけれど今でも大切にしております。
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面白かった原作 ダサい映画
「模倣犯」 原作:宮部みゆき/監督:森田芳光

模倣犯

東京の下町で豆腐屋を営む有馬義男。20歳になる孫娘・古川鞠子が失踪してはや10か月、下町の大川公園のゴミ箱から女性の右腕とショルダーバッグが発見される。
それを報じるワイドショーの生放送中に“片腕とバッグは別の人間のもので、バッグの持ち主は古川鞠子という女だ”と、犯人からの電話が入る。すると、今度は各局にも犯人からの犯行声明が届く。そこには、それぞれ別人の被害者と思われる女性の淫らな写真が添えられていた。
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宮部みゆきさんのミステリー小説が大好きなんですが、この映画はひどかったなあ。
キャスティングもなんかイマイチなのだけれど、ネタバレですが、最後のクライマックスの中居くん爆発するシーンにいたっては、「ひでー映像化だな。」と呆れてしまったのでした。
森田監督の「黒い家」とか「家族ゲーム」は面白かったんやけどなあ、、、。
特に黒い家にいたっては、映画館でみたので、「も、もう映画止めてください!」と叫びそうになったくらい怖かった。
ちなみにどちらも原作を読んでおりません。
ちなみに、「理由」の映画は、なるほどそういう演出ね!みたいな感じで面白かったな。
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最高な原作 最高な役者
「ヒメアノール」原作:古谷実/監督:吉田恵輔

ヒメアノール

普通の生活に焦燥感を抱くビル清掃会社のパートタイマー岡田(濱田岳)は、同僚からカフェの店員ユカとの恋の橋渡し役を頼まれる。
彼女が働くカフェへと足を運んだ岡田は、高校時代の同級生・森田(森田剛)と再会。
ユカから森田につけ狙われ、ストーキングに悩まされていると相談された岡田は、森田がかつていじめられていたことを思い出し、不安になるが……。
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森田剛くんもいいのだけれど、濱田岳最高!!
原作より面白い彼の演技。ところどころに感心してしまうほどでした。
ムロツヨシとのシーンはなんども爆笑した。
あと、ヒロインの女の子の微妙な可愛さもいい。
森田剛くんはもう全くジャニーズの輝きなかったし。
思い出して興奮しております。
映画は前半がかなり原作に忠実で、後半に映画版脚本になっているといった感じでした。
映画も相当面白かったけれど、原作のラストが好きすぎなので。
どちらもオススメです。
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原作より映画の方がすきかも
「横道世之介」原作:吉田修一/監督:沖田修一

横道世之介

長崎県の港町で生まれ育った横道世之介は、大学に進むために東京へと向かう。
周囲の人間を引き付ける魅力を持ち、頼まれたことは何でも引き受けてしまう性格である世之介は、祥子から一方的に好かれてしまう。
しかし彼は、年上で魅力的な千春にぞっこんで……。
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吉高由里子ー!最高や〜〜〜!
映画のあとに原作を読んだんですが、脳内で吉高由里子ばかり再生されていました。大好きになってしまった。
高良健吾もいい、あんなにかっこいいのに、もうひとつ華がない、若干モテそうにない、ちょっと残念な大学生にしか見えない。
あんなにもかっこいいのに!
映像の雰囲気も80年代感がすごくって、ちょっとダサい映像な感じとかすばらしいなと思いました。
何も起こらないわけじゃないのに、何も起こらない みたいな気持ちにさせられる 不思議な小説と映画でした。
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小説と映画合わせてあじわう作品
「沈黙」原作:遠藤周作/監督:マーティン・スコセッシ

沈黙

キリシタンの弾圧が行われていた江戸初期の日本に渡ってきたポルトガル人宣教師の目を通し、人間にとって大切なものは何なのか、人間の弱さとは何かを描き出した。
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知り合いがこの映画のスタッフをしていた、ということもあって、ずっとずっと気になっていた作品。
映画館でぜったみるぞ!と思って、その前に原作を読むぞ!と思って、「とりあえず」読んだ原作でしたが、久しぶりに小説を読みながら号泣した。
宗教とは本来自分を守るためにあるのではないのか!!!なんでそこまでして、神を守ろうとするんだ!
弱き人たちが死にゆく姿をみて、悲しみの波になんども埋もれていく主人公と私。
クライマックスでは、悲しみなのか喜びなのか、安堵なのか絶望なのか、なんとも言えない感情とはこのことか、とその全部が混じったわけわからん感情の大波でした。
初めて読みましたが、遠藤周作すげー。
映画では、色々な「沈黙」の演出がされていて、すごかったです。
また興奮してるぜ。

というわけで、しばらくは、動画にはまりそうです。