紙の本のススメ第7回「間取り」

私は引越しが趣味です。
とはいえ、しょっちゅう引越しをするわけにもいかないので、間取りを見るのが趣味ですというようにしていますが。間取りを見るのが楽しいというよりは、いい物件を探し当てた時に、まじで引越ししちゃおうかな・・!という気持ちに切り替わる瞬間を楽しんでいるという感じでしょうか。
なので、引越ししたばかりの時は、あまり間取りを見ません。
いい物件を見つけた時にとても傷つくからです。
引越しはお金がかかるしなにせ体力と時間がかかります。
嬉しいと同時に、現実を見せられ、妥協を味わいます。
そしてその妥協を受け入れて、楽しく生きていこうとする感じが、もう人生そのものだ。と落ち込んだりもします。


昔は、賃貸ショップの前に置いてある、おすすめ賃貸の冊子をもらって、お家に帰って、思う存分に見る。
ビールを飲みながら、赤ペンでチェックする。あの至福の時間。

最近はスマホアプリで検索しまくれるので、終わりがないのがちょっと難点です。疲れます。
やっぱり紙が一番です。


大学で京都に来てから、京都市内で、今が7件目のお家です。
今の家に引っ越して1年が経ちましたが、そろそろ引越ししたい気持ちが生まれ始める頃です。
でもまあ、問題が起こらない限り、大概3年は引越ししません。


初めて京都で一人暮らしをしたときは、

・仕送りが8万円
・バイトをしていなかった
・ユニットバスではお風呂に入れない

という、条件だったので、

・1階
・3畳キッチン(畳)+4畳半の和室
・半畳ほどの押入れ
・ベランダにトイレ、お風呂なし
・共同玄関、共同洗濯機
・お湯が出ないので、瞬間湯沸かし器を買った。

で、家賃が23,000円でした。

ユニットバスに入るくらいなら銭湯に行く。それが絶対でした。
とはいえ、お金もなかったので、毎日銭湯にも行けず、友達の家にお風呂を借りに行ってました。丸太町から岩倉まで自転車を漕いで。

ところが、1年足らずで引越しを決意することになったのです。
理由は、ゴキブリがものスゴイ出たからです。

1日3?4匹。
悪寒がして、振り返ると奴がいる。
100均のゴキブリホイホイ的なものを買ったのですが、彼らのお家にみたいになってまして、その中から元気よく2匹ほど出てきた時には、もう、本当に死ぬかと思いました。
100円を払って私は何を体験させられてるんやと。

共同玄関なので、私がなんぼ部屋を綺麗にしたところで、意味がない。
2つほど隣の部屋に住んでいたおじさん(いつも扉が開いて、こたつ的なものに向かってパンツ一丁で何かを書いている50代)のお部屋が、足の踏み場もないほどちらかっていまして、キッチンも食器から何から何までが山積みになっておりましたので、おじさんのお家が原因とだということはわかっていたのです。

そんなある日。おじさんが、「うわー!」と叫んで廊下に出て(やっぱりパンツ一丁)、スプレーをゴキブリに向かって発射しているのを見て、「引っ越そう」と決意しました。


色々間取りをみていると、欲というものが湧いてきます。
やっぱりお風呂があった方がいいんじゃないか。
バイトと仕送りで13万円くらいの生活費があったので、次はおもいきってセパレートのお家に住んでみることにしました。

・学生限定アパート
・4畳キッチン+京間の6畳
・室内に様式トイレ
・1畳半ほどの押入れ
・ベランダにお風呂

家賃40,000円でした。

そう、ベランダにお風呂。
裸で一度ベランダに出なければならないという、なかなかチャレンジングな物件でした。

部屋も押入れも広く最高でした。
唯一の難点が、押入れの壁に隙間があいていて、隣の部屋が見える。というところでした。
隣の大学生の男の子が寝転んで漫画を読んでいる姿を発見した時は、ここはめぞん一刻なのか?と思ってしまいました。
すぐに自分の部屋の壁に布をかけました。
きっと反対のお部屋からも見えていたでしょう。

冬のお風呂は本当に厳しかった。
温まってもすぐ冷える。
ただでさえお風呂が面倒なのに、本当に気力が必要でした。
つらくて、たまに銭湯に行っていました。

学生限定だったので、大学卒業とともに出なければなりませんでしたが、その時はすでに劇団衛星に入団してしまっていたので、大層貧乏だったのです。

その時ちょうど、黒木さんと、当時劇団員だった筒井加寿子さん、山本裕子さんが住んでいた「女子寮」が一部屋空くということになり
(山本裕子さんが東京に行く(その後、あの青年団に入ったのだった!今も活躍中。)ということで)
貧乏だった私はとりあえず、そこに住まわせてもらうことになりました。
家賃は、2万円程度だったと思います。

さて女子寮・・とは、どんな女子寮?
この続きはまた次回に。

あ。本の紹介をするはずが私の引越し歴の話に。
やっぱり今日の紹介本はこれだ。

「へんな間取り」
著者 へんな間取り研究会



こんな本があったのか!
そうか!やっぱりみんな間取り好きなんだな!

と嬉しくなりました。
ちなみに劇団衛星では、ファックさんも間取り好きです。
たまに「紙本さん、、、これ、見てください。」
と、ネットで検索した間取りを私に見せてくれます。
二人であーだこーだと感想を言いまいます。
楽しい職場です。