紙の本のススメ 第三回目「つながる本」

本を読んでいたら、よくその本の中で紹介される本があったり、キーワードで繋がっていく本があったりしますよね的な感じで、今日は本をご紹介したいと思います。

とはいえ、前回これを読むぜ!で終わった太宰治「人間失格」ですが、今更、私が何を言おうがあれなんですが、百万回聞いたと思うよ太宰。でも言うよ。
「すげー面白かったぜ。」

文章がとても滑稽で、なんどか吹き出してわらっていたのに、気がつけば「おいおいそれあかんよ。」という状況に陥っている。
幸せになろうとしないくせに、不幸から逃げて、流されるようにいきているようで逃げている。
中毒になってなって、現実か幻覚か、わからない。ただ時間が過ぎていく。
幸福も不幸もありません。ただ一さいは過ぎて行きます。
読み終えた後、私は幸せになろう。と思ったのでした。


人間失格連載中に自殺した太宰治
相当センセーショナルなことだっただろし、その時人間失格を読んで人生が変わった人もいただろうな。
すごい事です。


さて、そんな人間失格からのつながる本はこれだ!



「自殺」末井 昭

そのまんまやないかい!
ひねりないんかい!

美容院にいった時にも、雑誌ではなく本を読む私ですが、これを読んでいた時は、少しびっくりされました。
今でこそあまり抵抗なく使うようになりましたが、昔は「自殺」という言葉をいうことも憚られていたような気がします。
さすがにちょっとだけドキドキするカバーです。

自殺をテーマに、いろいろな切り口で書かれている末井さんのエッセイ集。
ダイナマイト自殺をした母を持つ末井さんの話から始まるのですが、そんなインパクトのある話が薄まっていくほどに、めちゃくちゃな人がたくさん出てきて、それより何より、この末井さんがもうめちゃくちゃな人で、何度も「も?!この人めちゃくちゃや!」と筆者につっこみました。
それでも自殺はしない方がいい。生きていたら楽しい。と言い続ける末井さんにものすごく説得力があるというか。
太宰治が今いきていたら、この本に確実に出ていただろうなと思う。

自分の生きている世界からは想像できない世界で生きている人がいて、体験できない、出会えない、知りえなかった人たちに出会えたような気持ちになるのが、本の力。

次に紹介するのがこの本だ!



「断片的なものの社会学」岸 政彦

この本は、電車で読んでいる時に「面白すぎる…」と声に出してしまったほどに面白かった。

「私がどうしても分析も解釈もできないことをできるだけ集めて、それを言葉にしていきたいと思う。(中略)この世界のいたるところに転がっている無意味な断片について、あるいは、そうした断片があつまってこの世界ができあがっていることについて、(中略)思いつくまま書いていこう。」(本書の中から引用)

ということで、そんな断片的なことがたくさん紹介されているのですが、なんでそこに気づけたん!?っていうか、それを文章化するのか!の連続。
どうしても解析したりしそうになるところを、ならないところで書けるこの文章がすごいんです。
だけど、振り返ってみると、何が書かれていたのだっけ?とすぐに忘れてしまうんです。
おすすめなのです。
私ももう一度読もうと思います。