紙の本のススメ 第二回目「電車の中で読む本」

この時期(1〜2月)は1年の中でもとくに電車に乗ることが多い。
(普段は京都市下京区に住み、京都市下京区の事務所に通っている。)
小中高校でのワークショップの仕事が多いからだ。
早朝6時に家を出て、御堂筋線「あびこ」駅に8時前に集合したりするんだぜ。
これを大阪の人に言うと、「え!あびこに8時!?」と相当びっくりされるのだ。
あびこよ、あびこの人よ、大阪人は、あびこは未開の地やと思ってますよ。


いつ読むの?電車に乗った時でしょ!というくらい、なんでだろう、本を読む時間をなかなか確保できない私。
なので、電車移動がとても貴重なのだ。
誰か知り合いにあっても知らんふりしたいくらいなのだ。
実際ちょっとしてる。
(先方も寝たかったり、何かやりたいことがあるはずなので、声かけない方がいいだろうと確信している。)

そんな電車の中で読む本。
もちろん電車に乗るときも、本のカバーはしない。
隣に座った人が、気になって、「私もこれ読んでみたい。」と思ってもらうことも、紙の本のすすめのおすすめ方法なのだ。

なので、タイトルはインパクトが重要だ。
そこで今回は「タイトルが過激」シリーズを紹介したい。
紙本が最近読んだ本はこれだ。



「死刑のある国ニッポン」 森達也 藤井誠二
死刑存置派と廃止派の二人が、冷静に、でも時には感情的に繰り広げる激論。

知らないことがいっぱいだ。
死刑は「他人事」でしかなかった私の世界が、すこし変わった。
知らないことを知ることは、知らなかった世界には戻れないことだと、この本を読んで感じた。
真面目に面白い。
おすすめです。
ちなみに私は死刑廃止派だ。


その次に読んだ本がこれだ。



「凶悪ーある死刑囚の告発ー」
獄中の死刑囚が告発した殺人事件の真相を「新潮45」編集部が暴き、首謀者逮捕に至るまでを描いた犯罪ドキュメント。

ファックさんに借りた名著。
死刑のある国ニッポンと相当リンクしていて、それで私はたいそう興奮した。
死刑必要かも、とか思っちゃうんよね。
実際、「あんな悪党、シャバでのうのうと生きてるのが許せない、罰を与えたい。」と死刑囚が発言するのだ。
あー、全然伝わらないけど、興奮した。
読んだ後、映画(DVD)もみたけれど、違う作品やった。リリーフランキーさんは、悪すぎるで。


そして、続いてこれだ。



「ネットと愛国」安田浩一

なんか過激な思想に偏った流れになってしまっているのだけれども、たまたまなのです。
笑の内閣さん「ツレがウヨになりまして」でもちょいちょい出てくる、ネトウヨ、在特会、日本のヘイトスピーチに関して、何が起こってるのか。
「まじか!」みたいな衝撃と「そうか、、」みたいな気持ちが入れ替わり立ち替わり。
安田さんの人間っぽさがすごく、いいです。
興奮します。

ツイッターでは香西リカさんと桜井誠さんをフォローしてみた。
ネット上で戦う人は、すごいなあと思う。
私も一度、過去にメールで裁判沙汰になるようなやりとりをしたことがあるのだけれど、先方からの辛辣で怒りに満ちたメールを読んだとき、目の前が真っ白になって、心臓がばくばくと動いて、息がまともにできず、パソコンの画面が揺れてメールが読めないほどに、怒りが脳みそに充満して、なんとも言えない体の状態になったのだ。
あれを毎日にようにやっているのか、と思うだけで、強いな。と思う。
ネットがなかったら、これが戦国時代だったら、彼らはどんな戦い方をしていたんだろう。


そして、今私が電車で読んでいる本は、これだ!!



DA ZA I!
「人間失格」 太宰治

太宰治ですよ!
いきなり超文学!
人間失格は過去に何度も読もうとしては最後まで読めず。
東京出張のときに駅のキオスクで買ったのに、新幹線にのって5分とたたずに寝ましたから。
36年生きていて、まだ読んでいないわけです。

先日テレビを見ていたら、又吉さんが「人間失格は幾度も読んだ。読むたびに毎回新しい発見がある。」と言っていたのを聞いて、「なんてかっこいいんだ。私も何度も読んでいたい。」と思ったのだ。
「何度も読もうとしては何冊も買ったけどまだ読んでいない。」を早く卒業したいのだ。
そしていつか、太宰 と 苗字だけで読んでみたいものだ。


私は電車の乗っているとき、周りの人を見るのが好きだ。
漏れ聞こえる音楽がすごく激しいのに、スン。と済まして座ってる人を見たりすると、「音楽めっちゃ激しいのに!?」とか思ったりするわけです。
たまに漫画を読んで、笑いが我慢できずに、くすくす笑ってる高校生を見ると、もう大変嬉しい。
なので、電車で本を読むときは是非ともカバーをつけないで、何を読んでいるか教えて欲しい。

座ってる人の前で立って読んでいると、ちらっと見られたりする。
ちょっと恥ずかしい。

「え!今、人間失格!?」
「あ、私も読んでないなー」
「人間失格好きやねん!」

今この人、こころの中で、なんてつぶやいたの?っとか思ったりして遊ぶ。
今の私ならきっと「同じ番組をみたんじゃないか!」って思う。
そんな出会いがまた楽しい。
それも電車で本を読む醍醐味だ。

いつか、電車で「その本、私も先日、、」とか、そんな会話を知らない人とできたらいいな。
というのが、私のちょっとした夢です。