書評:紙本明子の紙の本のススメ 第1回目「わからない時に読む本」

この読み物のコーナーについて、いろいろ考えたんです。
毎月更新しているけれど、さて一体どれほどの人が読んでくれているのだろうか。
結構頑張って時間や思考や身を削って取り組んでいるこのコーナー、一体誰のためのなんなのだろうか。

毎月、書くたびにこの「もんやり」にぶち当たります。
そしてやっぱり、わからない。
最後はいつも、いいじゃないか、自分のためだ!
と考えるのがめんどくさくなって、思考を終わらせる。

この「もんやり」はフラクタルで、読み物だけじゃなく、演劇、仕事、恋愛、誰かとの時間、誰かとの会話、何かをやるときも全部に共通する。私の生き方に共通している。
「何のために?」
こうやって歳をとって、こうやって死んでいくの?そうなのか?!

そんなとき、私は「本」を読みます。
仕事でヘタをこいても、失恋しても、本があればなんとかなったりするもんです。

私はとても単純な人間なので、落ち込んでもすぐ元気になるんですね。
相当落ち込んでも、本を読んだ後は、「みんなそうだよな!」とか、「そうか!これも全部必然!やったー!」とか叫んだりするほどです。

さて、そんな「わからない。」に陥った時、「あ、これ読んだらいいんじゃないですか?」とおススメする本は、こちら。

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「嫌われる勇気」-自己啓発の源流「アドラー」の教え/ダイヤモンド社
著:岸見 一郎 /古賀 史健


フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊。

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このヒット本に、まさか自分が手を出すとは!
タイトルがすごいよ、自己啓発の源流ですからね!

これを読んでいる人を見た、周りの人からは、「あの人は頑張ろうとしているんだ。よし!ここはいっちょ!」と、嫌ってみるようなそぶりを、わざとしてもらえたりするかもしれません。
安全に実践できる状況が生み出せるのではないでしょうか。
(重要:このコーナーの書評は、カバーはしないというのが鉄則です。)



あと、もう一つおススメはこちら、

「プラナリア」/文春文庫
著:山本文緒

こちらも話題になったじゃないか!
第124回直木賞受賞作品の小説ですね。
「もんやり」した主人公がたくさん出てきます。
「うう、わかるけど、私はそこまで卑屈じゃない!でも、ああ、わかる、ありがとう!」みたいな気持ちになれる本でした。

「懐かしいな、今更読んでるのか」
と思われたり、
「読もうと思ってたけど、そういえば忘れてた。今日古本屋に行って探してみようかな」
なーんて思ってもらえる効果があるのではないでしょうか。


さて、次回は「電車の中で読む本」をご紹介したいと思います。
それでは、また次回に!