あとがき と 新コーナー

「紙本明子のタイトルをとるまで」My Little Letter 〜あの頃の君へ〜の連載が前回をもっておわりました。
読み返すと、途中で設定とかむちゃくちゃになってる、書いていて自分でもよくわからなくなっている。はは。
体裁を整えよう…。いずれは出版予定(輪転機で刷る)なので(タイトルをとる予定やからね)、やっぱり「あとがき」が必要よね!


〜あとがき〜

作品のスタイルは、手紙のやりとりが遡っていって、その人たちの関係がはっきりしていく。というものにしたかった。
映画などで用いられる、ラストシーンから遡っていく形式、「メメント」クリストファー・ノーラン監督などがそうである。
当初はそのコンセプトだけでスタートし、「大学から京都にきてそのまま社会人になった苗ちゃん」と、「地元の短大に進学して結婚してバツイチ子持ちのたねちゃん」という双子の設定にした。

18歳まで同じ環境で育った一卵性双生児の二人。
一人は、京都の同志社大学進学、そしてそのまま同志社大学事務職につく。結婚もしないまま、一人暮らしを楽しむ33歳「苗」
一人は、地元(どっかの田舎)で地元の短期大学に入学。そのまま地元の企業に就職、職場結婚し28歳で出産。30歳の時に離婚。5歳の息子を持つシングルマザー。今は保険の営業をしている「種」

一通目は33歳の苗から

二通目は32歳の種から

三通目は大学入学(18歳)の苗から→ここでいきなり飛ぶね。

四通目からは17歳高校生。同じ家に住んでいるので、手紙の設定が不自然になり、交換日記スタイルに変更。

五通目は15歳中学3年生の受験。苗ちゃんが引きこもりになっている。
→何かのきっかけを過去につくろうと考え出す。
この辺りから、作家自身が、続きをどうしよかと悩み出す。
実は交換日記の主はお父さんという設定に変更しようと思いつく。

六通目中学1年生の苗から。
お父さんとの手紙のやりとりに至る出来事を、苗ちゃんからたねちゃんへの手紙のスタイルで明らかにしていく。
1週間前に交通事故にあった二人。

七通目からは、お父さん視点に変更。事故当日。
双子が事故にあい、たねちゃんが還らない人となる。

八通目 ここから時間軸が変わり、事故のあった日から、未来へと進む。

九通目(最終話)
たねの死を受け入れられない、早苗。
「たねちゃんがいない。」という早苗に「おじいちゃんのところに行ったんだ。」という母親の嘘。
ここから、早苗とたね(お父さん)の文通が始まる。


4通?5通目の交換日記あたりで、作家(紙本)も、たねと早苗がごちゃごちゃになって、やりとりがめちゃくちゃになっている。
締め切りを焦り、読み直す時間をとれなかったことがうかがえる。
月一回の締め切りなのに・・・と自分にうんざりもした。

たねちゃんが事故死をしてしまう。という設定は、相当悩んだ。
フィクションであるからこそ、こどもの死、という出来事を扱うということへの重さがあった。

さて、心を閉ざした苗は、その後、いつ、どこで、たねの死を受け入れたのか。
そのあたりを描こうかどうしようかと悩んだのだけれど、それは、出版化の際に続きの物語として描こうと思う。

今はとりあえず、13歳の早苗が、20年をどう過ごしていったのか。
もう一人の主人公の父親の20年に想いを馳せてみようとおもう。
また会おうね、なえちゃん。


2015年11月19日 紙本明子



さて、次回からは、新連載をスタートするよ!
書籍化を目指す私 紙本明子

電子化など最近は色々な読書形態がありますが、それでもやっぱり紙の本が好き。
電車では携帯よりも本を読みたい。
そんな人も多いと思います。
重たいのに、でもカバンの中に忍ばせておきたい紙の本。
買うきっかけは読みたいからだけじゃなかったりする本。
読んだ後、しつこいほどに人にすすめたくなる本。
逆に独り占めしたくなるような本。
図書館で借りて持って帰る時のずっしりとしたなんだかよくわからない興奮。
そして結局2週間で読み切れず返却をしたり。

そんな、「紙の本」の魅力を、わたくし紙本が今までにない(多分)書評をしていこうという試み。
題して紙本明子の「紙の本のススメ」

お楽しみに!