「紙本明子のタイトルをとるまで」その5

「My Little Letter 〜あの頃の君へ〜(5)」

たねちゃん

つらいなあ。
15歳のまだまだ子どものうちらに、受験っちゅー試練は本当につらいもんじゃなあ。
たねちゃんは、吉川高校に決めたん?
うち、どうしても、もう1個上の聖徳高校受けたいんよ。
内申点は厳しいって先生に言われたんやけど…。
でもたねちゃんが吉川行くんやったら、吉川にしようかな…。
どう思う?

なえ
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なえちゃん

うちは、吉川に決めたよ。
学校はどこにいってもあんまり一緒やと思うし、吉川の方が近所やしなあ。
たねちゃんはなんで聖徳なん?
入った後も勉強出来る人ばっかりでしんどいんとちゃうかな。とか思うのは、あんまり良くないんかな…。
たねちゃんは、いっつも頑張り屋さんやからな。
ちょっとうらやましいよ。
でも私も一緒に高校に行きたいな。

たね
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たねちゃん

頑張り屋さんなんとちゃうねん。
格好つけたいだけやねん。
ちょっとでも上の学校に入りたいだけ、背伸びしたいだけ。
うち、こんな性格、ほんまにいやや。
公立落ちたら私学やもんな。
お父さんにもお母さんにも迷惑やんなあ。
あああ、辛いなあ。
勉強も辛い上に、なんでこんな決断しなあかんねや。
未熟な15歳に決断させるなーーー!

なえ
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なえちゃん

あははっ
たねちゃん節や。
未熟なんやし、間違えてもええんちゃうかな。
私は、私学に行ってもいいと思うな。
お父さんもそんなふうな事言っとったよ。
たねちゃんが行きたいところ行ったらいいと思うってさ。
我が父ながら、出来た父親だな笑

たね
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たねちゃん

お父さんに直接相談すればよかったな…。

私学は女子校やし、やっぱり公立にする!笑
私立の女子高はどんなところなんか想像もつかんし…。

ありがとうね
わたしは、たねちゃんが居やんと、なんにも決めれんわ。

なえ
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なえちゃん

うちはいっつもたねちゃんの頑張る姿みて、後追いかけてるだけやで。
なえちゃんが居ないと、たねは居ないのと一緒だし。
ありがとう。

お父さんが、来週のお母さんの病院のことと、受験のことで話がしたいってさ。
土曜日はお父さんが帰って来てから、みんなでご飯食べにいくからねってさ。

ちょっと久しぶりにお家、出れるかな。

たね
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たねちゃん

お母さんの病院。
うん。
頑張るよ。

受験のこともあるから、学校も行くよ。
竹田先生に会わなくっちゃ。
ありがとう。
がんばるよ。

なえ
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なえちゃん

無理しんとって。
頑張らなくっていいからさ。
明日、一緒に学校いこうさ。
三者懇談でお父さんも一緒にいくってさ。
天気になったらええな。

たね
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