妄想劇場2014年「マコの夏休み(4)」

前回までのあらすじ=====
高校2年生、山田マコ17歳は、バスケ部の先輩である森田真二に告白をした。
1週間後の今日、先輩からの返事を聞くために、橿原神宮前で待ち合わせをすることになったのだが…。
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先輩「や、山田?」

恐る恐る振り返る私。
紛れも無く、そこには、森田真二氏、私が好きな先輩が立っている。

「あ、あうう、あはっ」
おおおう、言葉が出ない、きもい自分…!

先輩「えっと、そっか。どうしようか。」

ええええ!?!
そっか。って?!
「山田って私服ださいんや、そっか。」ってこと!?うわあああああ〜!こんな格好をしている17歳女子高生が告白なんかしてんじゃねーよ!!ってそういうことですよね!すみません!!!!

先輩「ちょっと早いけど待ち合わせしたってことでいいかな。はははっ」

先輩が笑ってる、笑ってるよ、
大丈夫だ、冷静になれ、もういいじゃないか、もう、いいんだマコ。

「えっと、そうですね、はい、良いです。これで。あはは」

先輩「えーっと、でも、とりあえず…お店の外、出ようか。。」

「そうですね!」

とりあえず、店の外に出て、駐輪場あたりで立ち止まる。

ああ、もう、なんか心の準備とかそんなことよりも、服とか、服とか、服とか!
ちゃんと可愛くして、先輩に会いたかった、これ、本当の私じゃないんですよ、もっと普段はちゃんとしてるんです。
本当の自分ってなに?とかそんなことどーでもよくって、あああ。

返事を聞く前から泣きそうな私。

先輩「あの、さ……、」

「は、はい…。」

先輩「えっと、なんか、今日、山田、雰囲気違うな。」

「あは、そうですかね!えっと、まあ、なんかちょっと本調子じゃないっていうか。」

先輩「ははっ、本調子?」

「あはは、なんか…、もう」

ああああ、どうしよう。

先輩「…、山田?」

「すみません。」
どうしよう、悲し過ぎて涙が、涙が、、

先輩「や、山田…!えっと…どうした?」

「なんかすみません…、なんか、本当はちゃんとした格好で、会いたかったです。なんか髪の毛もワシャワシャやし、Tシャツもよれよれで、ジーパンもすり切れてるし、サンダルやし、先週はセミにおしっこかけられるし、なんでいっつもこうなんやろうって思って、先輩の前でいっつも。なんか、すみません!うううう…」

先輩「…。いや、えっと…」

男「あれ?お!森田やん!」

…!
なんてことでしょうか、
先輩のクラスメイトなのでしょうか、明らかにそのような雰囲気の男子高校生が声をかけてくるではありませんか…!
今?この雰囲気で!?

先輩「おおおっ。平井」

平井くんとおっしゃるらしい。

平井「おーっす!元気かよー!」

先輩「ああ、まあ。」

平井「あれ?あ。どもー。」

「あ、どうも。」

平井「えっと、もしかして、彼女?」







先輩「うん。」

…え。

平井「おーいっ 彼女いたんかよ〜!裏切りや!っていうか、彼女泣いてない?ってか、お取り込み中?ってか、俺うざい?あははは!」

先輩「ちょっとな。でも、ありがとう。」

平井「へ?何が?」

先輩「え?まあ、ええやん。」

平井「なんやねん!彼女、ごめんね〜。お邪魔しました〜。」

「いえ、あ、ありがとうございました。」

平井「へ?なにが?」

「いえ、えっと。」

平井「変なカップル!ほな、いくわ!」

先輩「おっす。」

平井「あ!土曜日、八木のお祭りいくやんなー?」

先輩「多分。」

平井「彼女とか〜?! へへ!ほんじゃまた連絡するわー!」

笑いながら自転車立ち漕ぎで消えていったお友達。

「なんか、すごい人ですね。。」

先輩「うん、クラスメイト、平井っていうねん。ええやつやねん。」

「みたいですね、あはは」

先輩「…。えっと、ということでさ…。」

「…、はい。」

先輩「八木の祭り、一緒にいかへん?」

「……うう、はい!(グシュン)」

先輩「や、やまだ…」

「行きだいでず、ずごぐ、ずみまぜん、なんか、嬉しいのと申し訳ないのとで涙が。」

先輩「申し訳ないって、」

「こんなだるだるの格好の人が彼女とか思われるの嫌じゃないですか…ずみまぜんー。」

先輩「山田、おもろいなあ〜。全然分からんけど、だるだるとか。」

「普段はもっとましなんです。多分。」

先輩「十分やけどな。」

「ううう、ありがとうございます。」

先輩「ということで、えっと、よろしく。」

「宜しくお願いします!」

先輩「試合やないんやから。笑」

こうして、先輩と後輩から、彼氏と彼女になった私と先輩。
ややこしい、先輩改め、、なんて呼んだらいいんだろう、へへへ。

この続きは、また別の妄想で。
とりあえず、
おしまい。