「ルールとは何のために?」

すっかりスプリングですね。
出会いだったり別れだったりが多いこの季節ですが、大人になって環境の変化を感じることが少なくなったなあと思う。
でもやっぱり心がウキウキしたり、ワクワクしたり、心機一転的な気持ちになったりするのは、やっぱり桜のせいかしら。

沢山の人が桜を愛していると思う。私もその一人です。
この季節、いつまでも自転車をこいで、どこまでも桜を愛でたい。

どうして日本にはこんなにも桜が咲いているのだろう。
植えてくれた人ありがとう。そして毎年めーいっぱい咲いてくれる桜に、ほんとにありがとうだ。


「満開に咲いた後に、散りゆく姿がまた美しい…。桜は完璧だ。」カナダ36歳

とかいうコメントをネットで見ると、本当に誇らしい気持ちになる。
愛国心ってやつですかね!
通勤路、同じように、桜の写真をとるおっさんや、ただただ上を見上げてるサラリーマン。
「こりゃ、満開やな〜」と何度も言いながらお散歩している中年夫婦。
はしゃぐちびっことお母さん。そんな人を沢山見かけると、これまたすごく嬉しくなる。
日本人は桜が好きなんやなあ。と思うと、なんかたまらなく嬉しくなる。
毎年咲くのにねえ。何十年も見て来たのにねえ。

ちなみに、花見という行動は日本独特のものなんですって。
海外の人が、日本人の花見を見てどう思うんやろう。
「なにしてるの?」って思うのかなあ。と気になってググってみたら、こんな映像が出てきました。
http://gyao.yahoo.co.jp/player/00895/v00007/v0000000000000000113/

面白いなあ。


「目に焼き付けたい…!」
「どうか雨よ降らないで!」
「もっと咲いてて!」
と思うのは、すぐに散ってしまう儚いものだからなんでしょうなあ。

「世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」(在原業平)
(この世の中に、桜というものがなかったら、春をのどかな気持ちで過ごせるだろうに)

言いえて妙でございます。


そんな気持ちのよい4月3日の朝
最高の気持ちで通勤している時に、あてくし、とんでも無いムカつきを覚えたのでありました。(桜ごめんよ)

コインパーキングに不正に駐めている車。
黒のインプレッサでございます。(写真とったけど!載せませんけど!)
こんな感じです。



いや、あのね、そりゃコインパーイング代もばかになりませんけどもね、気持ちはわからんでもないんですけどね、道をはみ出て駐めてはいけないと思うのですよ。
室町仏光寺の、道の狭い割に交通量(車も人も)の多い場所なんですよ。
しかも呉服屋さんとかいっぱいあるから、大型トラックが結構通るわけですよ。
通りすがりの人なんかは、「なんやこれ?あー、せこい事してはるわ。」とかゆーてるんですよ。私も言いましたよ。

ボロいちーこい軽やったらね、許せたかもしれないのだけども(それもどうなんだって感じですけど)、
黒のピカピカのインプレッサですよ。スバルの。
結構高い車なんですよ。
これ。



これ買うお金あるんやったら、パーキング代払えよ!と思ってしまう訳ですよ、庶民は。
たまらず通報しました、M井のリパークさんに。

「ありがとうございます!すぐにスタッフを向わせます!」

と電話越しにお姉さんに高いテンションで御礼を言われて、「ええ事したわ〜。」と胸のすく思いで、その場をさりました。
しかし、どうしてもその後の顛末が気になり、私は引き返したのです。

そこで私が見たものは…、悠々とインプレッサに戻って来て、スーツの上着を脱ぎ、後部座席の扉に上着を投げ入れ、運転席に乗り込む車の主(膨よかなおじさん 推定45歳)でした。

「ああ!まだスタッフさんが来ていない…!」と思ったその時、作業着を着たおじさん2名が、車に近づいてきたのです。
運転席の窓をコンコンとしました。
テンションの上がる私。
運転席の窓が「ウイーン」と下がる。

「あの〜、随分道にはみ出て駐めてはるんですけども…」

なんか言ってるおじさん(声が聞こえない)

「まだしばらく駐めはります?」

なんか言ってるおじさん

「あ、今出るところ?あ、そうですか。分かりました。」

そのまま、走りさる黒のインプレッサ。


えええええ!!!!!
何!それ!!!!

なんとも拍子抜けな展開だった。
私はこの場でどうすればよかったのか?

この結末を知らなかったら、良いことをしたな〜と満足して終わっていたのか。そっちの方がよかったのか。
私はルール違反をしているおじさんにどうなってほしかったのか?罰を味わってほしかったのか?

M井のリパークでは今後、パーキングに防犯カメラが設置されるのか?
それでいいのか…?

ルールとは何の為にあるのかを考えた時、「安全のため。人に迷惑をかけないため。」だと思った。
だから、電話したのだった。
想像力をもって、ルールを守れる人になってもらう為には、あの黒のインプレッサをどうしたらよかったのか。
私もめんどくさくて「まあ、いっか。」と自分が思ってしまう時、「誰かに迷惑をかけるのではないか?」と考えられているだろうか。

どうにも解せなくて、せめて読み物のネタにしてやろうと思ったわけですが、
〆切を半日過ぎてしまい、植村さんに迷惑をかけてしまった私が、偉そうに言えたことではありません。

「世の中に たえてルールがなかりせば 世の均衡は 掻き乱れるかも」(紙本明子)


おわり