『差異』


差異に優劣が生じる事が多い環境の場合、
差異に対する受け止めとして主に2種類の行為が起こりやすくなるのではないか。
一つは得ようとする行為である。
優位性を得ようとする行為。
あるいは、安心を得ようとしてマジョリティに身を置こうとする行為。
他の劣勢さを証明しようという行為。
などが起こりやすくなるのかもしれない。

もう一つは、隠蔽という行為が起きやすくなるのかもしれない。
差異があることを周囲にも、そして自分自身に対しても隠蔽しようとする。
隠蔽の方法の一つとして言語化や思考、行為などを放棄しようとする現象がある。
それは自分の望まぬ優劣を付けられてなるものかという必死の抵抗のようにも見える。
あるいは傷つかない、もしくは誰も加害者にさせようとしない防御のようにも思える。

いずれにせよその環境にいる者にとっての差異の結果は事前に予感するものであろう。
その場合の行為は自己を反映させたものではなく、多くは評価者へのリアクションになるのではないか。
そして後者を受動的と翻訳する場所もあるのかもしれない。
「やる気がない」という言葉は「差異を恐れている」という風にも翻訳できる場面があるのではないか。

差異による争いを起こりにくくするためにはどういう環境が必要なのだろうか。
以下は想像である。
・評価者の評価と、内省的な自己評価と、評価者とは別の価値提供者として参加者に寄り添えるような他者が存在している環境だろうか。
・匿名性がある程度守られている中で、その多様な差異の中での一つの選択の影響を「自分が」ではなく不特定多数の人と一緒に「自分も」体験できる環境であろうか。
・その多様な選択の中の一つは自分のものであるという実感が持てると同時に自分だけのものではないという実感もある環境だろうか。
・行為者であり、観察者でもあり、評価者でもある、その境目が曖昧な環境だろうか。
・評価者の評価を授業者自体が内省して批評的に受け止められる環境だろうか。


来月の私です↓

サファリ・P 『透き間』
HP:https://stamp-llc.com/stage/sukima2023/index.html
上演台本・演出:山口茜
作曲:増田真結
出演:芦谷康介、佐々木ヤス子、達矢(以上 サファリ・P)、F.ジャパン(劇団衛星)、森裕子(Monochrome Circus)、山田蟲男(突劇金魚)
過去公演映像:https://youtu.be/eUY2JZXvQfM
稽古風景:https://twitter.com/stampllc/status/1645307038686388230?s=20

【名古屋公演】
●場所
メニコン シアターAoi〈トライアルイベント〉
●日程
2023年5月14日(日)14:00
●料金
一般・学生:1,000円
障がい者割引:800円
●予約
https://meniconart.or.jp/aoi/schedule/sukima.html

【大阪公演】
●場所
インディペンデントシアター 2nd
●日程
2023年5月20日(土)〜22日(月)
5月20日(土)12:00/17:00
21日(日)12:00/17:00
22日(月)13:00
●料金
一般:3,800円
30歳以下:2,500円
18歳以下:1,000円
障がい者とその介助者:2,000円
●予約
https://sukima2023.peatix.com