『文字の読み方』


最近文字の読み方を練習しています。
人間のオートメーションは本当に優秀で
感情が揺らいだとしても名詞、助詞、動詞でキチンと発音を分けて喋っている。
自分も今まで意識してこなかったけど
例えば「動詞でキチンと発音が分かれている」だと「動詞」「で」「キチン」「と」「発音」「が」「分かれ」「て」「いる」と、それぞれ言葉の用法が違いますよという事を発音でちゃんとわけて喋っているのだ。
ほんまにびっくりするぐらいの精度で。
だけど文字で読んでしまうと、文字を読んだ段階でもう意味や用途が分かれている事を脳が理解してしまっているので、そこまで厳密に「単語の意味を分ける」という事を身体に落とさなくなる。
「どうしできちんと」みたいに聞こえる喋り方に私の場合はなる。
特に一文字である助詞の場合は意味や用途通りの発音ではない感じで喋ってしまう事が多い。その前の名詞や動詞に吸収されてしまう。
大体分かるけど「動詞でキチンと」ほどはっきりはしない。
「どうしでキチント」みたいな感じかな、文字で例えると。
脳が「わかっている」と逆に身体のオートメーションの精度が落ち、脳で操作しなければならなくなる。
いわゆるお芝居に説得力がある、というのはオートメーション機能がうまくいっている状態だろうと思います。逆に嘘くさい、やりすぎ、というのは自分でその機能を操作しているときに陥りやすいのではないでしょうか。
「どうしでキチント」に感情を込めて喋り出すと、更に何を言っているのかハッキリしなくなってドンドン何を言ってるのか、もちろん喋っている言葉はわかるけど、耳に入ってこなくなる。
よくあるんです、私の場合。

言葉、単語の意図通りに喋る事を今さらですが私は今、練習しています。
そうやって単語の意図に沿った発音で喋ることに関しては歌もめっちゃ良いなと気づきました。
歌を歌うと情景が自分の心に浮かぶんです。
これは聴くのとはまた違った歌の楽しみです。
と、いうことに今更私は気づいたのです。

以下は、忌野清志郎さんの「君が僕を知ってる」という歌ですが
歌ってみて気づいた歌詞の考察です。
あくまで私の主観という事でご理解くださいませ。

「君が僕を知ってる」
作詞 忌野清志郎

今までして来た悪い事だけで
僕が明日有名になっても
どうって事ないぜ まるで気にしない
君が僕を知ってる

この16小節は
ぼくのこれまでの事を歌っているような気がする。
ぼくは今こうだからこういる、みたいな。
「君が僕を知ってる」世界に生きてきたから僕はこうなんだぜみたいな感じがする。
このAメロの君が僕を知ってるの「僕を」の発音だけが他と違って、自分には状態を指す発音のように聞こえるんですよね、歌詞だけでは気づけません。ぜひ聞いてみてください。

だれかが僕の邪魔をしても
きっと君はいい事おもいつく
何でもない事で 僕を笑わせる
君が僕を知ってる

この16小節はこれからの事を歌っているような気がする。
これからも僕はこうだぜ、その根拠は君が僕を知ってるからだ。
という感じ。君に向けて言っている。
ちょっとした不安も感じてしまう。
一緒にいたい。
しかし、永遠に一緒にいるわけではないのかもしれない。
強く強く自分にも確認している。

何から何まで君がわかっていてくれる
僕の事すべて わかっていてくれる
離れ離れになんかなれないさ

「なれないさ」は誰かに言ってるわけではなく、これも状態を指す。
「僕[は]ばらばらになれないさ」
という思っているとを歌っている。
もしかしたらここまでの歌詞の中に
「君」は近くにいないのではないか、ずっと一人で君のいないところで歌っているような気もする。
君相手に喋っているわけではない。

コーヒーを僕に入れておくれよ
二人のこの部屋の中で
僕らはここに居る 灯りを暗くして
君が僕を知ってる

現在の時間。
ここで多分ようやく君と一緒にいるのだろう。
だけど僕は君には直接
「君が僕を知ってる」とは言わない。
言えない?
でも「君が僕を知ってる」と、僕はこの時に
実感しているのだと思う。
僕の気持ちをうたっているのだろう。
誰にも言うわけでもない「君が僕を知ってる」状態を味わっている。
この歌の中で事実らしき描写が出てくるのは「灯りを暗くして部屋に2人きりで居る」らしいということぐらいではないか。
君の気持ちや表情、態度は一切描かれていない

何から何まで君がわかっていてくれる
僕の事すべて わかっていてくれる
上から下まで全部わかっていてくれる
僕の事すべて Baby わかっていてくれる
わかっていてくれる わかっていてくれる
わかっていてくれる わかっていてくれる
わかっていてくれる わかっていてくれる
わかっていてくれる…

で、ここから急にセックスしているようにも思える。
明かりを消して、幸せな気持ちになって盛り上がったんやろうなぁ。
愛の確認。


そんな私はこのイベントに登壇者として出演します。
皆様よかったらぜひとも!!

「子どもにアートを!」と頑張る先生を支えたい|京都市×芸術教育支援 中間報告会
〜ファーストペンギンからセカンドペンギンへ〜
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