『ご飯を食べてたって言うんですよ』

一週間前でした。
私の弟みたいな存在の牧村さん(※しかし血の繋がりもありませんし、戸籍上のつながりもありませんし、何よりまだ知り合って間も無いのでそういう信頼関係もありません。ではなぜそれでも弟『みたいな』存在であるかというと、やはり文字通りその存在感といえば良いでしょうか。いつのまにか、本当にいつの間にか私の家にも住みついていましたし、最初は敬語だったのに今ではそれも無くなって、たまに『お前』とかまで言ってくるので驚いてしまいます)が、ビショビショの状態で家に帰ってきました。
大雨にも関わらず傘をささないのは
「雨には思い切って逆らわず向こうが思ってる以上に濡れた方が逆に自分の危機管理能力を鍛える事ができる」
と、これは牧村さんがこの家に来てから繰り返し私に言っていた事(※多分この2ヶ月の間に12回ぐらい)なので、そこにはもう何の疑問もありませんでした。
ただやはりビショビショの人が家に入ってくる抵抗感はありましたし、牧村さんの言う「向こうが思ってる」の「向こう」とはどこの事なのか、など気にならない事がないわけではありませんし、わけのわからない話を折に触れて何度もされるとやはり心身に疲弊がたまり、少しずつストレスはたまっています。
腹も立たないわけではありません。
でも牧村さんは中肉中背のおじさんではありますが、いざとなったら人を殺しそうな・・・というよりもすでに人を、少なくともなにがしかの動物は日常的に殺していそうな雰囲気が漂っていますので、仕方がありません。
思った事を全てを言えるわけではありません。
そんな社会でもないですよね?
牧村さんが雨の中、何をしていたのかと聞くと、
「ご飯を食べていた」
と言うんです。
リュックにお弁当を入れて、お弁当は屋根で雨をしのぎながら食べていたそうです。
それはいいんですけど。
お弁当を食べにいったのは夜中ですよ。
午前1:45の出来事です。
お風呂上がりですよ。
大雨が降っている深夜です。
それで帰ってきたのが午前2:05です。
いいんですけどね。
そんな時間にお弁当食べたら太りますよ。
食べてすぐ寝るのも良くないし、
ビショビショだし、
いや、いいんですけどね。