『気持ち』

俺はファッションでガストに行く
ガストの美味しさについては
よくわからない
ハッキリ言えばね

ようやく言えるようになった
10年かかったよ
俺はファッションガスター
ガストへの愛じゃない
自己愛だ

今日は気分じゃない
ていうか
毎日そんな気分にはならない
それでも行く

雨の日は雨の日クーポンがあるからと理由をつけて行く
初めて訪れた土地での最初の食事は安心感を求めたいからと理由をつけて行く
色々なお店あるけど、失敗は絶対にないからと理由をつけて行く

だけど全ての理由は嘘だ。
オシャレだからだ
ガストで過ごす時間、
過ぎ去っていく時間は
オシャレだからだ

俺は優越感を得るためにガストに行く
どうだ、俺はガストにいる
と誇っていたし、
他のお店
例えばラーメン屋とかカレー屋にいる人々を蔑んでいた

ガストは俺を許してくれる
俺を受け入れてくれる
受け入れてくれ過ぎるんだ

ねえ、
俺を見透かしていたよね?

その大きさもクール
つまりオシャレだ

恥ずかしい。

本当にガストに見合った人間になれるまで
ガストには行けない

もうドリンクバーは頼めない。

ステーキガストには行くよ
好きだから。
これはファッションじゃない
食べたいから行く

愛したいんだ。