『成る程軽いかも』

ある日の事だ。
雨上がりの春先だったような気がする。
私は大きな旗を探していた。
急遽応援をしなければいけなくなり、
応援は、
「大きな旗を振るのが一番良いよ」
と教えてもらったのでホームセンターを回っていたのだ。
私の思い描く大旗はなかなか見つからず、日も暮れ、途方にくれていた。
彼は確か野球部だったはずだ。
大きな旗に「かっとばせ」と刺繍してスタンドでぶん回せば、どんなに心躍らせる事だろうか。
大きなだけはあるので旗はきっと重いだろう。
だから7回ぐらいからぶん回すのが一番良いはずだ。
7、8、9回ならば私も全力でぶん回せるはずだ。
勿論チャンスとなれば7回以前にも限定でぶん回すつもりだ。
物事何でも杓子定規でいくと息苦しくなるものだ。
計画は万全だ。
ぜひ勝ってほしい。
しかし旗はどこに売っているのだ。