『腹が減った夜、いや朝』

夜中3時に目が覚めて、
足がこむら返りになって、
おさまったかと思って、
もう一度布団をかぶって、
寝ようとしたけどふくらはぎに違和感を感じていて、
でもそんな事は知らないふりをして、
寝よう寝ようと頑張って、
あ、来る、来てる、という予感が膨らんで来て、
やっぱりという感じで、
再びこむら返りが戻って来て、
叫んで、
起きあがって、
そして「痛い、痛い」と泣きながら筋を伸ばして、
今度は中々おさまらなくて、
「痛い、痛い」も通り越して、
もう今は誰かに、いや、何かに「ごめんなさい」と言いながら筋を伸ばして、
明日、いや、もう今日の予定を思い出して、
早く寝たいのにという焦りも出て来て、
それでもおさまらなくて、
痛くて、
焦って、
なんとかおさまって、
でもそれは立っている状態で何とかおさまっているにすぎなくて、
寝転がったら再びこむら返る予感はバンバンにしていて、
悩んだけれどやっぱり早く寝たくて、
えいやっと寝っ転がって、
目を閉じるよりも前に再びこむら返って、
再び飛び起きて、
筋を伸ばして、
もうその頃には何となく今夜は眠れないという覚悟も出来て来て、
そうしたら気付く事があって、
そうか、俺は今何か腹が減っていたのだ。