『夢みたい』

お前の中にある空気階段を登れ
人類は皆兄弟だと言っているおじさん
道ばたで大豆を転がしているおばさん
iPhoneしか愛せないと嘆くおにいさん
皆まとめて空気階段を登らせろ
そうやって、やいてくれ、世話を
俺は人の世話をやいている
お前が好きだ
世間の世話をやいてくれ
過ぎた過去を振り替えるお前が好きだ
浮いた話が全くないギャルのように
いびつな規律に不自由さを噛み締める
お前が好きだ
俺は好きだ
だけど気にするな
俺が好きなだけだ
俺が見たいだけだ
俺の欲望だ
俺など存在しない
俺はいない
俺をお前は知らない
だけど見てる
叶わぬ可能性を噛みしめながら
俺は見てる
LACOSTEのポロシャツを着て、
コップに氷を入れて
お茶を注ぎ、
俺のお母さんのつくった鍋焼きうどんを食べるお前
かまぼこしかはいってないだろうけど
ごめんね
俺はそんな光景さえ夢みる
そう、これは夢だ
俺は俺の中の空気階段を登る
3段飛ばしで
夢に近づく事を夢見て
俺は存在しないから
そうやって、お前に近づく