『スターの証明』

肩の毛をむしったスター。
肩に毛が生えているのはスターではないと、
法律で定められた直後の決断だった。
施行されて5分も経たない出来事に、国民は驚いた。
その前に教養が無い事を問題にした方が良い。
と、スターの関係者は、スターと親身になっている人間ほど思っていた。
それよりも緊急性が高いと国が判断したのだからしょうがないとはいえ、
やりきれない思いも強い。
スターは見た目も重要、中身の方がもっと重要、
というのが彼らの考えだ。
国民の大半は違う。
中身はどのみち分からない。
噂はあるけれど、
それが事実として伝わることはない。
肩に毛が生えているのは週刊誌に捉えられた瞬間に事実になってしまった。
びっくりした。
産毛ではない。
ボーボーだったのだ。
ワイルド、というより猥褻な感じの生え方に国民はとまどったのだ。

だから。

ボーボーの肩毛をむしる時には、産毛の範疇に収まらない痛みが走る。
尋常ではない痛み、といっても良い。
それが長時間続くのだ。

なぜ、剃らなかったのか。

それは永遠の疑問だ。
スターはその質問に答えない。
プライベートな問題だからだ。

周りの関係者のモヤモヤは続く。
しかしそんなことは知ったことではない。
それがスターだ。