『泣け叫べばゴールシュート』

オレはシュートを打ちたいと思っている。
この気持ちは嘘じゃない。
だけど打てない。
なぜなら打てば決まっちまうから。
決まったら終わっちまうから。
この試合が。
いや、このゲームが。
オレは試合じゃなくてゲームと言いたい。
スポーツっていうのはゲームなんだよね。
プレイしたいんだ、オレは。
勝つとか負けるとか。
それも大切だし。
そして「ゲーム」を「プレイ」することも大切さ。
「試合」に「挑む」じゃダメさ。
でもさ。
とはいってもさ。
やっぱりそれでも。
オレは情念を捨てきれない。

「愛してる」

言いたいよね。
そして「愛したい」し、「愛されたい」。
愛するっていうことは同時に憎しみを抱える事なんだ。
それが愛するっていうことだとオレは教わったんだ。
そんなことよりももっとカジュアルな恋愛をプレイしたい気持ちもある。
矛盾。
はらむのが人間。
そして青春。

だから俺は今この瞬間。
悩んでいる。
気持ちもぐちゃぐちゃになっている。
意味もなく(いや本当はあるのかもしれない)涙を流している自分。
そんな自分に酔っている。

そして
意味もなく(いや本当はすべてのことに意味なんてないのかもしれない)叫んでいる自分。
そんな自分に酔っている。

そしてわかっているのはみんなに迷惑をかけてい る。
だからさ。
だから終わりにしよう。

決着をつけよう。
シュートを決めよう、
と、思う。
でも、思うだけじゃだめなんだ。