「同窓会にて」

「ワキ毛まんじゅう」
というニックネームの友人に久しぶりに会った。
20年ぶりだ。

「ワキ毛まんじゅう、変わってないねー」

こいつは相変わらずだった。
何もかも。
体型も性格も見た目さえも。

「智くんも変わってないじゃん」

ワキ毛まんじゅうもそう言って笑った。
あの時と同じように。

二人いいおじさんになったのに、
すぐにあの当時の関係性に戻って、
まるでタイムマシーンに乗ったかのようだ。

脇腹にパンチを喰らう。

「ちょ、やめろって」

ワキ毛まんじゅうはさっきまでの笑顔で
何も言わずに脇腹を殴り続ける。

笑顔なのに無表情に見える、
そうそう。
あの時のままのワキ毛まんじゅう独特の表情だ。

俺も笑顔で

「やめろって」

と殴られ続ける。
チクショウ。
とは思わない。

そうそう。

そんな心は忘れてしまったんだ。

ああ。
変わらないなぁ。