「家の中で一人」

家の中で一人。
ぼくはまんじゅうをもしゃもしゃ食べていました。
色々な事もあったし、様々な面倒な事柄がこの先もたくさんあるけれど、
今ぼくはまんじゅうを食べているのです。
ワキ毛の長さをどうこう嘆くよりも今はただこのおいしさをかみしめたい。
そう思うのです。
晴れた日の夕暮れ。
子供たちの笑い声。
生臭いぼくの家。
それでも、
だからこそ、
まんじゅうがうまい。
ただただ。
ただただ。
このほんの少しの幸せにこだわってひたり続けていたいのです。
奪わないでください。
お風呂にはもう二度とつかりません。
くつ下も二度とはきかえません。
この二つを誓いますのでおまんじゅうを食べるという幸せをもう少し続けさせてほしいのです。
神様。
捧げさせて下さい。
そんな事を願いながら想いながら、
もしゃもしゃおまんじゅうを食べていたら気分が高ぶって仕方がありませんでした。