「事情、そして今後に向けて」

自分が太っている事を自覚した瞬間というものがある。

けれどそれは鏡にうつった自分の肉体を見た時でも、
ズボンがきつくなった時でもない。

それは卵かけご飯を食べようと、卵をプルプルとかきまぜていた時、いつしかその手首の振動により自分のお腹も同時にプルプルと震え始め、「プルプル」がサラウンド効果で聞こえてきたその瞬間なのであった。

「あ、俺は太ってる!」

卵をかき混ぜながらも思わず口に出して言ってしまうほどの、それは強烈な自覚体験であった。

それから。

コーラを買ったり飲むのが恥ずかしくなってきた。
お菓子の中でも特にカールを食べるのが恥ずかしくなってきた。
定食屋さんで、
「ご飯大盛りで」
と注文するのが恥ずかしくなってきた。
「おかわり」
なんて注文は心臓がドッキドキだ。
太っている友人と会うと、服装や髪型がめちゃくちゃカブるようになった。
太い人間はなぜか短髪になり、
あご髭を生やし、
シマシマの服を着始めるのだ。

今後のぼくは色でいえばきっと黄色に魅せられていくのであろうという予感がしている。
不思議な確信すらある。

では今後私は何をすべきなのか。
まずは健康は損なわないように気をつけようと思う。