「目指すものは」

昨日、今日でみつかるものでも無いかとも思ったのですが、実はぼくは今パン屋さんを目指して歩いているのです。
昨日からずっと目指しています。
ですが、ああ、着けません。
やはり着けそうにないのです。

「パン屋さんは容易に見つけれないのだ!」

昔から父親はお酒を飲み過ぎると決まってそう言いながら泣いていました。
コブシをにぎりしめて、慟哭するのです。
ぼくはそんな父親をみるのが辛かったので、何とか容易にパン屋さんを見つけたいと思っていたのですが、これはもうどうやら…
いいえ。
しかしぼくはガックリなどはしておりません。
ある程度は予想がついていたからです。
そうです、どうせ駄目だろうと思いながら歩いていたのです、ぼくは。
そんな志では大きなことは達成できるはずもないのでしょうが…ああ、ぼくという人間はそういうところがあるのです。
簡単にあきらめてしまうところもそうです。
でもおかげさまで楽に生きることができていますが、どう思いますかみなさん。
一つだけ今ハッキリしているのは、お腹が空いたということです。
ああ。
パン屋さんがみつかってればな。
けれどぼくはお金だけはうなるほど持っているので、何とかなるはなるんですけどね。
ああ。