「大小の驚いたこと」
私の女房がいなくなった。
朝目が覚めたら鼻血が出ていたので慌ててティッシュを鼻につめ、それからもう一度寝ようとしたのですが何か胸騒ぎがおさまりません。
鼻血もおさまらず、ドックンドックン流れてきて最初につめたティッシュが真っ赤に染まってしまいました。
だめだ、と思って新しいティッシュをつめ直した後しばらくして女房がいないことに気がつきました。
「おや?」
と、思いました。
慌てて時計を確認したら朝の6時だったので更に強く、
「おや?」
と、思いました。
そして今度は実際、
「おや?」
と、口に出してみました。
「おーい」
続けざまに声を出したら、冷静だったつもりが思いのほか熱くなっていたのか、
さきほどよりも早いペースでティッシュがドックンドックンと鼻血で真っ赤に染まってしまいました。
これはだめだ、と思って新しいティッシュをつめ直そうとしたのです。しかしその前に思っていただけだったつもりが、
「これはだめだ」
と思ったことを、実際そのまま口に出して言ってしまったのです!
びっくりしてしまいました。
でも本当にびっくりしているのは、女房がいないことなのです。
それなのに他のことでびっくりしたのです。
大きいびっくりの最中に派生して小さいびっくりが起きました。
イライラしてしまいます。
鼻血というのは時と場所を選びません。
そして香苗さん、帰ってきて下さい。
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