「よろこび」

この大きなおむすびをいきなり食べるのではなく、まずは表面をペロリと舐めてみることにしたのです。
そしたら、びっくりしてしまいました。
ペロリとしただけなのに、
美味しいとか美味しくないとか以前の問題で、舌が歓び震え始めたのです!


晴れたる青空 ただよう雲よ
小鳥は歌えり 林に森に
こころはほがらか よろこびみちて
見かわす われらの明るき笑顔


そしてぼくは第九のこの歌詞が持つその意味を、この瞬間にハッキリと自覚したのであります。
思わずニヤリと笑いが込み上げてきました。

ペロリの後のニヤリ。

こうして、一日をかくも豊かに始められた私は幸せ者以外の何者でもありません。

もちろんこの後にガブリといって、心の中にさらなる歓喜の嵐が吹き荒れるわけですがそれはまた別のお話し、なのであります。