「演劇」

三人姉妹というお芝居の稽古をしております。

現場では達者な先輩たちに囲まれているので、尊敬したり関心したり自分が恥ずかしくなったり嫉妬したり落ち込んだりと、やはりなんだか騒々しい気持ちになってしまいます。

私などはそのうさをはらすべく、年下の俳優をつかまえては上から目線で演技論を語ることでようやく心のバランスをとっているのです。

演技論。

甘くて美しい響きです。
この話題一つで偉ぶれたり気持ち良くなれたりするのですから。

「演技っていうのはつまり、器官無き身体の芸術的聖性にこだわる闘いだからさー」

と述べている時の私の顔は、きっと内館牧子さんが見ても、
「美しい」
と言ってくれるでしょう。

年上にはしません。