「男色」

男が二人、薄ぐらい倉庫で激しい接吻をしている。
二人とも悲しいぐらいに不細工だ。
とても不憫な二人が、けれどそんなことは関係なく愛し合っている。
顔は不細工なのに、そのKissをしている姿勢のなんと美しいことか!
見ていると、段々と自分もKissをしたくなる。
それぐらい二人のKissは幸せそうだ。

「愛してる?」
「愛してる」

二人は幸せそうだ。

一人の不細工がポケットから取り出した大福をかじった。

「おいしそう?」
「おいしそう」

やがて二人の唇が重なる。
大福がとてもおいしそうだ。

私は二人が好きだ。