「歴史」

「脳天気番長は18歳」
というタイトルのお芝居が
ぼくの衛星初舞台でした。
今から6年前のことです。
やった場所は
「シアター1200」
というところです。
現在は名称が変わって
「京都劇場」
となり、JR京都駅にある
今やあの劇団四季が使っているところです。
それはもうべらぼうにでっかい処なのであります。
それまでの衛星の自主公演の歴史の中でも
一番客席の多いホールだったなのではないでしょうか。
本当によくもまぁ、
この時に
ぼくみたいなもんを
このお芝居に
出したなと。
しかもぼく
このお芝居めちゃめちゃええ役なんです。
脳天気番長のライバル
「ファック番長」
が、その時のぼくの役でした(下ネタではありません)。
言ってもぼくはこの時、
演劇経験ほぼゼロのただの学生です。
そう
呑気さんだったのです。
お芝居に出る事を決めた時も
呑気極まりなく引き受けたものです。
そうです
ぼくは当初このお芝居に話しの流れと好奇心から
「なんとなく」
出演することを決めてしまったのでした。
恐ろしいことです。
何の決心もありませんでした。
大体何かを決意して舞台に立とうという人間が
「ファックジャパン」
などという
救いようのない
芸名は付けないと思います。
後戻りできなくなってから事の恐ろしさに気付いたかというと
そのプレッシャーを感じる間もなく
段取りやらセリフやら舞台の上手やら下手やら
覚えることとやることがなにしろ多くて
そこまでぼくの頭のメモリーが回らない状態なのでありました。
だからこの時の本番初日の開演前の舞台袖で
準備が整い
ようやくじっくり集中してこのお芝居のことを考えている時に
ぼくは初めて
このお芝居に出ることを
腹の底から後悔していたのでした。
そうです。
ぼくは完璧にびびってたじろいでいたのです。
それから幕が上がって、きっかけのセリフが出て
袖から舞台へ出て行く時の
あの恐怖。
忘れられません。