「何かにこだわっている男」

私は、ごはんを食べる時は、ハンバーグや唐揚げなど、できるだけわかりやすいものを食べることにしています。
やはり思うのですが、私はできるだけわかりやすい人間でいたいのです。
弁当をそしゃくしながらコーラを飲みこみます。
白いごはんにコーラは合わないのではないかと、毎日、本当に繰り返しそう思うのですが、それでも私は弁当を食べる時間になると、繰り返し繰り返しコーラを選んでしまうのです。
そうです。合わないとわかっていても、私はコーラを飲むのです。
確信犯的に、私はコーラを飲み続けているのです。
なぜか。
それは思うに、私はコーラが好きだからでしょう。
合う合わないなんてことは、「好き」という気持ちの前では、すごくちっぽけなものに思えるのです。
まるで人生にはコーラしかないとでもいうかのように、他のソーダやティー関係には目もくれないで、コーラ、コーラ、そしてまたコーラを選ぶのです、私という人間は。
そしてやはり思うのですが、私はできるだけ志しのある人間でいたいのです。
そしてその志しとは、私の場合、できるだけ常にさわやかな人間として生きていくということなのです。
残念ながら、不幸にも今、私はまったくといっていいほどさわやかではありません。
むしろ人よりいくらか湿っぽい人間であります。
つまり私は志くずれの人間なのです。
このことに関して、私はこれからいくらでも愚痴をはき続けたり、一日中悲観にくれたりもできるのですが、止めておきます。
「スカッとさわやかにいこうよ」
いつだって私は、自分にそう言い聞かせているのです。
何を始めるにしてもまずは食事の形から、というのはこれは当たり前の話しですね。