「フィリピンパブでの会話」

聞いて下さい。
おみやげを買うのを忘れたばっかりに、私は明日の朝からデパートへ行かねばならないのです。
そうです。
デパートであの数量限定の特製ちまきセットを買ってきて、それをおみやげの代わりにして、みんなのご機嫌を伺おうと思っているのです。
特に局長の斉藤さんという人は、無類のちまき好きなので、私のおみやげの事などあっという間に忘れてしまうでしょう。
恐るべし特製ちまきセット、そして、してやったり特製ちまきセットです。
…けれど、やっぱり後ろめたいのは後ろめたいわけです。
良心がチクリと痛むのです。
こういう事態になる事を恐れ、おみやげの事を常に頭の片隅に置いておきながらの旅行というのは、やはり何かとわずらわしいものであります。
けれどだからといって、おみやげは一切買わないと心に誓った旅行は、それはそれで何やら物足りぬものを感じたりするのも、これまた事実です。
私はやはり、おみやげを買う時間におみやげを選んでいる時というのは、旅のだいごみでもあると思うのです。
いつもはおみやげを忘れずに必ず買って帰ってきていたのに、ここにきての大失態は自分でも驚きです。
これが「老いる」という事なのでしょうか。
旅の途中で何度もおみやげを買うチャンスはあったのですが、でもまぁ、でもまぁ、と思っている内にいつの間にやら家に着いてしまっていたのです。
不覚であります。
でもまぁ、とは一体どういう理屈なのか。
それはもう自分自身でもまったくわかりません。
こんな話し、退屈でしょうか?
すいません、なにしろ初めてこういう処にきたものですから、勝手がよくわからないのです。
それではあの、1曲歌います。

(SMAP〜青いイナズマ〜を歌う)

お粗末でした、ありがとうございますありがとうございます。
一応今のが私の一番得意な曲です。
この曲とエルトン・ジョンの歌が数曲うたえます。
いや、それはまた今度の機会にしたいと思います。
いやいや、今度の機会にしますので。
それじゃあのすいません、チェックしてください。
あの、お会計です。
お金を払うので。
帰るんです、はい。