「ナンバーワンをとった男」

 アメリカンリーグでナンバーワンをとった男と言えば私であります。
  けれどもそれももう昔日の思い出。何十年も前の話しになってしまいました。
  一部の若い人たちの中には、今だに私の事をナンバーワンの実力だと信じて疑わない者もいるようですが、技術的な面でのレベルは、あの頃と比べて格段に進歩していますので、今の私などでは到底太刀打ちできるはずがありません。
  柔道の大外刈りからヒントを得て造ったあの頃の私の得意技であり、あの頃のアメリカンリーグの代名詞的存在でもあった「OOーSOTO」も、もうあまり見る機会がなくなってきました。
  今では私もただの市民に戻りました。体重も3キロ減って、体調も万全です。
  もう血なまぐさい泥仕合はたくさんであります。
  今、白いごはんがおいしいです。