「閑話休題」

雪合戦が面白いという事にはもはや疑いの余地がない。
男の子は素手で、そして女の子は手袋をハメて投げるというハンディキャップシステムが、またこの合戦をよりリアリティのあるものにしているのだろうか。
しかしまったくこのウキウキした心の弾みはなんだ!
なんなのだ。
雪合戦をやるだけなのだ。
他の雪合戦より少しリアリティがあるだけなのだ。
なのにこれは、この胸のトキメキはまるで10代の頃の内田祐也だ。
どういう事だこれは。
そう、これはまるで10代なのだ。
栄光の10代だ。
人に雪をぶつけるのが面白かったあの頃の気持ち。
アントニオ猪木が世界一強いと信じてやまなかった頃のあの気持ち。
今、世界一強い男は小川直哉だと信じているこの気持ち。
大切だ、とは思わないのだ。