「ラグビー部物語3」

お正月といえば、コタツにみかん、そしてテレビをみるならやはり高校ラグビーの全国大会ではないだろうか。
ボクももちろん毎年見ているし、現役ラグビー部員だった高校生の時ももちろん毎年家で見ていた。
そう、高校一年生の時、ボクの学校はお正月に花園どころではなく、10月にどこかの学校のグラウンドで終わってしまっていたのだ。
試合に負けた後のグラウンドで、先生の話しを聞きながら三年生の先輩が泣いていたのをとても覚えている。
負けたら引退。それが秋の高校ラグビー全国大会予選の三年生たちのルールである。
どんなに素晴らしいチームでも、一年間しかその同じチームで戦えないのが高校ラグビーだ。
しかも負けてしまえばそれだけ早くそのチームには終わりがきてしまうのである。
「引退」を目の当たりにしたのはこの時が初めてだった。
当時まだ入部してから半年たらず。この大会は、特別な大会であると、その時初めて実感した。そしてボクらはその先輩たちの想いを引継ぎ、二年生を主体とした新チームで再スタートをきるハズであった。が、しかしである。その後の打ち上げの席上でお酒を飲み、あげくのはてに道頓堀に飛び込んだりしていたボクらはあっさり警察に補導され、全員坊主の上にラグビー部は一か月の活動停止処分になってしまったのであった。