黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)
【第八十八回】

【原文】
難波江の 蘆のかり寝の ひと夜ゆゑ
身を盡てや 戀わたるべき
[皇嘉門院別当(こうがもんいんのべっとう)]

【読み】
なにわえのあしのかりねのひとよゆえ
みをつくしてやこいわたるべき


【意味】
難波の海辺の蘆を刈ったあとの根の一節、そんな短い旅の一夜のはかない契り。その仮寝のために身を尽くして恋い続けるというのでしょうか。

【斬る!】
どっちや?
これは、ラストに(いや、そういうことはありますまい)と、括弧書きが入るのか、
それともそのままなのか。

これは、相手に言ってるの?それとも自分?
何がなんだか。

それ以前に・・・どうにもこの歌は、
「どこかで聞いたような気がする・・・」
というフレーズがちりばめられていて、
それが気になって仕方ありませんなぁ。


《似ている歌一覧》
・難波潟短き蘆の節の間も 逢はでこの世を過ぐしてよとや[19/伊勢]
・わびぬれば今はた同じ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ[20/元良親王]

あら?これだけ?
5、6首あるような気がしたけど・・・。
まぁいいや。

88番目ともなるとねぇ・・・。
そりゃ、ひとつやふたつ、お題がかぶるわなぁ。

19番も20番もそうですが、難波の蘆、ときたら、
なんだかとてもドラマチックな感じがするなぁ。
「短い逢瀬」というのがいいんでしょうな。


ーーー出会うはずのない二人。
 それは、ほんの一瞬の出来事・・
  しかし、それが二人の人生を変えたーーー

♪なんかバラードが流れ出す

「つきまとわないで!」
「ただの偶然さ」

「私は一生旅をしているのね」

「ベティー!!!」


『NANIWA-GATA』
この冬、一瞬のラブストーリー

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ブラッドピットっぽい。
なんとなく。


(現代語訳・作者解説は、Webサイト小倉百人一首さん http://www.watarase.ne.jp/hyakunin/から引用しました。)

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