黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)
【第八十六回】

【原文】
嘆けとて月やはものを思はする
かこち顔なるわが涙かな
[西行法師]

【読み】
嘆けといって月が私に物思いをさせるのだろうか。そうではないのに、月のせいにして恨めしくこぼれ落ちる私の涙であることよ。

【意味】
いいね。
感傷と唯物のバランス感覚!

時代は夢に出てきたら「私のことが好き」という、自分勝手ロマンチック時代。
それなのに、この自分を冷静に見つめる現代的な感覚よ。

まぁ、私はよく「月のせい」にするけどね。
ホルモンバランスホルモンバランス。
「かこち顔なる我がやる気かな」

でなきゃ、気候のせいにするね。
季節の変わり目とか。低気圧とか。

・・・。
そう考えるとえらい皮肉な歌ですね。
現代女性(私)へのアイロニー。
そう考えると、ちょっと西行法師が嫌な年配男性に思えてくるから不思議です。
月にかこつけて何が悪い。
まあええけど。

バファリンの半分は西行法師でできている。
(なんのこっちゃ)

そんなこんなで2008年ももうすぐ終わりです。
皆様にとって2009年がいい年でありますよう。
私にとってはこの100人斬り終了の年となります。
ふふふふ。長かった。

(現代語訳・作者解説は、Webサイト小倉百人一首さん http://www.watarase.ne.jp/hyakunin/から引用しました。)

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