黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)
【第八十五回】

【原文】
夜もすがら物思ふころは明けやらで
閨の隙さへつれなかりけり
[俊恵法師(しゅんえほうし)]

【読み】
よもすがらものおもうころはあけやらで
ねやのひまさえつれなかりけり

【意味】
冷たいあなたのことを思って、夜を通して物思いにふけっているこの頃は、夜が長く感じられてなかなか明けない。部屋の戸の隙間までがなかなか白んでくれずにつれなく感じられることだ。

【斬り】
はやく明るくなったらなったで、私は嫌です。
夜明けって、なんかがっかりする。

ふふふ。
私も百人一首を85首読んだだけのことはある。
この歌のどこが素晴らしいのかが、わかります。
ふふふふ。

この歌のポイントは、ズバリ『閨の隙さへ』の部分にあります。

ひとり寝の間の悪さを表現する手段として、
視点を部屋の戸の隙間に移したところに、
この歌のユニークさはあるんだね!

下の句が「ふもとの鳥も今日はつれない」とかではなくて、
実写的な、身近な「戸の隙間」をクローズアップするところが
味わいポイントです!

・・・多分。
いやでもあれやね、百人一首、夜明けの歌が多い!

「夜明け」=「恋愛関係」なんやな〜。

私にとって「夜明け」=「仕事」です。

みなさんはどうですか?
あと、なんとなく隙間から明かりがもれてくる描写って、
UFOっぽい。


こんな感じ。


(現代語訳・作者解説は、Webサイト小倉百人一首さん http://www.watarase.ne.jp/hyakunin/から引用しました。)

そして10日から私と紙本でやっていますユニット、ユニット美人の新作『紫式部の言うとおりっ!』の、先行販売が始まります。500円安いので、この機会にどうぞどうぞ。
ユニット美人

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