黒木陽子の百人一首を斬る!』
(略して『陽子の百人斬り!』)
【第八十四回】

【原文】
永らへばまたこの頃やしのばれむ
うしと見し世ぞ今は戀しき
[藤原清輔朝臣(ふじわらのきよすけ あそん)]

【読み】
ながらえばまたこのごろやしのばれん
うしとみしよぞいまはこいしき

【意味】
生きながらえていると、つらくいやなことの多い今がなつかしく思い出されるのだろう。あんなにつらいと思っていた昔が、今は恋しく思われるように。

【斬り】
まあそうでしょう。
辛い時期は、「いつかこれも笑って話せるようになるさ・・・」と、思って乗り越えていかなきゃ、やっとれん!
という感じやね。
生きていく上での処世術やね。

だからまぁ、はじめの壁を迎えた人間が、そう思えずにいろいろなことを起こしたり泣いたりするけれども、それは理解してほしいところです。心の闇とか言わずに。
自分もそうやったやん。

しかし、それを丸く丸く見つめて、老人のような心持ちになっていると、
足元すくわれるけれどね。
だってまだ生きながらえていないんだも〜ん。
いや。多分どんだけ老いても、同じやろう。と思います。

「またこの頃やしのばれむ」
のところが、なんか好きです。
正しい訳ではないけれど、
「あ〜またこの壁がきちゃったか〜。あちゃ〜。」
という感じが漂っているので。

盛者必衰。盛者必衰。

がんばって生きた者勝ちやと信じたい。
中学生にちゃんと読んでほしい。
今後待ち受ける挫折に備えてほしいところです。

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・・・と、いう考え方を私は少女漫画哲学と最近読んでいます。
少年漫画と少女漫画の王道パターンはちょっと違う。
少女漫画が、普通の悩める女子(ちょっぴり才能あり)が、悩んだ分だけ幸せor成功するパターンが多いのに対して、
少年漫画は、英雄男子が、厳しい修行や同じく英雄友達と切磋琢磨していくうちに、幸せになったり成功したりするのだ。
と、ざっくり考えていますが、いかがでしょうか。
・・・なんの根拠もないけれど、なんとなくそう思う。
(根拠持てよ。)

男性上司に悩ませられる仕事をする女性は、少年漫画を読むといいと思う。
逆に女性上司に悩む男性は少女漫画を読めばいいのでは?

(現代語訳・作者解説は、Webサイト小倉百人一首さん http://www.watarase.ne.jp/hyakunin/から引用しました。)

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